おはようございます、さいとうです。
今朝は快晴、高窓からは肌寒いほどの冷涼な風が吹き込んできました。ようやく咲き始めた胡蝶蘭が揺れます、今年はかなり晩生です。
植物は素直です。水分が足りなかったり、日照が満たされなければ、育ちが悪くなるし、場合によっては枯れてしまう。これは生物学的な捉え方です。
一方で、長く観葉植物と接していると、育ててくれている人の体調や心の内を理解したり、その場の機運を察し体現する能力が備わっていたりするのではないかと思える出来事に直面し、その感性や感度に驚かされます。
もう20年以上も育てて4メートル近いブラッサイアは、仕事で突発的な不測の事態が続いた時期には、葉が萎れ、時には枯れて落とし、勢いを失いますが、出口が近くなる兆しがあると、突然に新葉が表れて勢いよく成長を始めます。数日前からこちらの株もあちらも、天辺に赤子の手のような葉が開きました。幾度もその光景を見て、洞察にも共鳴や共感にも優れているように思います。
実生で10センチほどまで育った柿は晩秋にすべての葉を落としてしまい、幹と呼ぶには見すぼらしい竹串ほどの枝が立っているだけでした。冬の間は根を張り将来に備えているのだと信じて見守っていたら、つい先日、二本ある両者ともに一斉に芽を吹き始めました。新しいことへの準備が整った知らせのよう。
胡蝶蘭は、育て始めてもう十年になろうとしています。
毎年30輪から多いときは50輪ほど咲くのですが、今年はいっこうに花芽が育たず、どうしたのだろうと心配していました。早い年は三月末から咲き始めるのです。それが今朝、二カ月も遅く、最初の一輪が開いてくれました。
六株のうち花芽を見せたのは三株です。残りの三株はさすがに今年は難しいのだろうかと思っていたら、揃って新葉を伸ばしはじめました。
はっとしました。胡蝶蘭はお祝いの贈答に使われる流麗な花が特徴、その花の姿ばかりに意識を奪われがちですが、肉厚できれいな弧を描く葉も、くねくねと捻じれながら四方八方に伸ばす根も、この蘭を特徴であり個性です。長く育てる中で、この蘭の本来の姿を見失っていたことに気が付いたのです。
さらさらと吹きおろしてくる高原のような微風に揺れる、今年の最初の一輪。今年も咲いてくれて、ありがとう。
さ。
EMIRPs Today(2026-06-05)#2946 植物の素直な感性
