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EMIRPs Today 2026年5月配信まとめ

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

 今月は、言葉について目を向けた話題が多かったよう。

 壁にネジ込まれた環付金具のポップな名称「ヒートン、ヒートン」に始まり、「身動く(みじろぐ)」や「ぬるい」の成り立ちを探り、まるで外来語のような響きを持つ「TASARO(多叉路)」「TENYA-WANYA(てんやわんや)」に翻弄され、最後には脳が「バグる」で一か月を締めくくったのでした。

 普段は自分では発しないが、強かに生き残る言葉が面白い。

 いつか、どこかで聞いたことがある気がするが自らは使わない親しみの乏しい言葉が例えば何かと尋ねられても、語彙が能動的に口をついて出てくるわけがない点は歯がゆいのですが、それでも見聞きしたら、ああ、あれねと思い浮かんでくる、名前も知らないけれど見たことある道端の草のような言葉。

 植物学者 稲垣氏が雑草の生存戦略につい紐解いた著書を読んだ際に、ははん雑草の企みと、言葉の生き残りは、似ている要素があると感じました。

 雑草と呼ぶ類の植物たちは恵まれた場所では育たないそう。日照がよい場所は大きな木々や勢いのある草などが優位で雑草は敵わない。そこで雑草は、大木も華やかな草花も育たないような縁石の脇やちょっとした小さな隙間に根を下ろし、その特定の領域でしっかりと子孫を残していくというのです。

 言葉にも、公式な発表や文書で使われる正統派の言葉が大切であり継承すべきであろうことは言わずもがなで学校教育に組入れられますが、一方で、庶民の間のおしゃべりやネット上で飛び交うチャットやメッセージには、得体も知れない進化や変態を遂げている言葉が山ほどあります。

 短い文字数で感情を表し、メッセージ性や共感力を強め、さらにはスタンプなど視覚情報とコラボレーションする。サバイバルを遂げた言葉は、いつしか国語辞典にも掲載されることもある。これら生き残る言葉の多くは、本来の意味から使いやすいように応用拡張されたり、文字を間引いて短くするのが常です。

 共通してみられる特徴は、語感や語音が発声しやすかったり、語調がリズミカルであったりすることでしょう。

 日本では擬音語や擬態語などのオノマトペにて、語感や語音、語調を巧みに使いこなす言語文化があります。雑草のような逞しさをもつ言葉は、語感や語音、語調を大切にする日本語文化が生存力の源泉となり、生きのこる場を見出しているのだろうと考えると納得します。

さ。

2924-2941 2026年5月配信分

2026.05.01雨の日も良いものだ2924話
2026.05.07ナショナル自転車店2925話
2026.05.08ヒートン、ヒートン2926話
2026.05.11似顔絵、ずらり2927話
2026.05.12ナフサ、じわじわ2928話
2026.05.13ジャスミン、ふんわり2929話
2026.05.14身動ぐ(みじろぐ)2930話
2026.05.15窓に写る小さな影2931話
2026.05.18ことばの生命力2932話
2026.05.19ぬるい2933話
2026.05.20Bee together2934話
2026.05.21ポケモン空港2935話
2026.05.22ひと続きで保つ2936話
2026.05.25多叉路2937話
2026.05.26てんやわんや2938話
2026.05.27社会を括る大きさ2939話
2026.05.28時間と区切り2940話
2026.05.29バグった脳も直せる2941話

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