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バグった脳も直せる

おはようございます、さいとうです。

 5月は月初に連休が座っているので、月末の訪れが早い。今年の暦では実質の営業週は三週間しかないのに、ひと月分のすまし顔。

 先日、ボジョレヌーボーが店頭に並んでいた、あれ、なぜ今なのだろうと目の前の珍事が飲み込めません。最近はこういう混乱を「脳がバグる」なんて言いますが、この「バグる」という表現が、どうにもこうにもいけすかない。

 もともとは、コンピュータのプログラムに問題があり、誤動作したり不具合を招いたりした時に原因となる不備をバグ(bug=虫)と呼ぶ業界のスラングですが、IT業界の拡大とネット普及は表裏一体、いつしか日常の脳が誤動作するような状態や状況を指して「脳がバグる」と使う人が現れた。

 例えば、雪の中で素っ裸でかき氷を食べるちぐはぐな画像を眺めたり、観光地で着ている服が背景色や模様に溶け込んで人の顔だけ浮き出ているスナップをみたりした際に、先入観や常識で見たならば理解不能に陥ったり混乱させられるたりする画像や映像に対して「脳がバグる」と当てるのです。。

 前者は季節の常識が邪魔して「混乱する」「錯綜する」ということでしょう、後者は対象を「捉えきれない」や「定まらない」視覚の不具合が起きている。それを「脳がバグる」と言うと、理解へと向き合う意欲を削いでくるよう。

 プログラムのバグはタイプミスやコピーペーストの残滓、アルゴリズムの間違いなどが原因で、デバッグ(虫取り)と呼ぶ修正作業で正すという一連の対処作法が決まっているのですが、一方で「脳がバグる」画像や出来事に直面しても、それを解消する決まった所作のようなものはありません。

 いけすかなく思うのは、「バグ」を動詞にして拡張する言葉のドレスダウンではなく、プログラムのバグならば手を入れて直せるのに、「脳がバグる」と表されるものは、往々にして面白いねと流すしかないからかもしれません。

 さて、ボジョレヌーボーは、居酒屋でビールをジョッキで頼むより安い値段でたたき売り、しかも晩秋の風物詩ワインの新酒を初夏に売り出していることが混乱の原因です。これは本物か模造品か、傷んでいるB級品なのか。

 手に取って、裏ラベルを眺めてみると、2025年の空輸ものでした。たしか売値は三千円前後だったように思います。大手飲料メーカーが11月第三木曜の解禁日に向けて飛行機で運んだプレミアムのつく初物が売れ残り、半年も過ぎて赤札がつけられたということなのでしょう。ボジョレーヌーボーは、こんなにも流行らなくなったのかと感慨深い。

 正規品であり事情も察したところで、バグった脳は正常に戻りました。あれ。

さ。

EMIRPs Today(2026-05-29)#2941 バグった脳も直せる

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