おはようございます、さいとうです。
雨上がりの踏切、ちょうど遮断機が下りてきました。小学生が最前列に陣取りました、棒にひっつくほど前に立っていました。
黒と黄の遮断棒が胸の高さですから小学1年生か2年生くらいなのでしょう。ランドセルを背負って、手には黄色い傘を提げていました。雨に濡れた傘を、小さな手で巻くのは難しいものです、くしゃくしゃと束ねられ真ん中あたりが膨らんだ子供用の短い傘、飴玉を包んでいるようでした。
さて、踏切内に入ってはいけないことは理解はしているよう。際に立って身体で隠すようにして、遮断棒の真下あたりで傘を右へ左へと振っていました。
回りの大人を見上げて何かを確認する様子。見て見ぬふりをしている人や素知らぬ顔をする人。悪戯心に火が付いたのか傘を少しずつ前に出し始めました。
一センチ、また一センチと、ほんの少しずつ傘の先端を遮断棒を潜るように前に出しては、回りの大人の様子をうかがっています。
対面で待っているご婦人が声に出さずに口をぱくぱく、「あぶないよ」と話しかけていますが、本人には届かない。少年の隣に立つ老爺はまっすぐ前を視た姿勢のままで気が付いていないよう。
少年はしたり顔、今度は踏切内にどのくらい先端が出ているのか確認し始めました。遮断棒が胸にぴったりとくっつく位置まで身体を寄せて、棒の下の傘を見下ろしていました。
次の列車は踏切の反対側を通過することは表示されていますが、さすがに踏切での悪戯は危ないもの、そこよりも先に進むなら声をかけよう、そう思った時に警報が鳴り止んで遮断棒があがり始めました。
「ゴンッ」、鈍い音が響きました。
回りの人が足を止めました、彼に視線が集まりました。少年が、遮断棒にアッパーカットを食らった音でした。そうとう痛かっただろうなあ。
ばつの悪そうな表情をした少年が大人たちに紛れて歩いて行きました。
さ。
EMIRPs Today(2026-06-29)#2962 踏切でアッパー
