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月: 2025年10月

  • ぷうん

    ぷうん

    おはようございます、さいとうです。

     ご近所と交わす朝の挨拶にも「ずいぶんと涼しくなりましたね」と継ぎます。暦では寒露ですからね、目黒の庭園美術館前で「ぷうん」と匂ってきました。

     そう、庭園前に何本か並ぶイチョウの大木から、ギンナンの実が落ち始めていました。イチョウの葉が色づく前なので、日々、通っていても気が付かなかったのですが、辺りに匂いが漂い路面には踏みつぶされた残骸が見られました。

     匂いや香りに関する擬態語はいくつかある中で、その表している対象への視点や切り口が微妙に違います。

     どこからともなく現れたほのかな香りや、料理のお皿から鼻に届く熱気をともなうような匂いには浮き上がったり漂ったりする様相に着眼して「ふわり」や「ふわっ」と表し、鼻孔の奥のほうが強く刺激される強烈な匂いには「つん」とその痛みを表現をします。

     「ふわり」や「つん」は、他の状況や状態、例えば「風船がふわりと」とか、「指先で肩をつんつんと」など、でも用いられる首尾範囲の広い表現です。

     一方、漫画や日常のおしゃべりの中では、「もわーん」や「ぷわー」など匂いの広がり方や立ち上がり速度に着目した表しもあります。

     いずれも絶妙ですが、「ぷうん」のもつ表現力には敵わないように感じます。

     なにしろ「ぷうん」の言葉の中には、匂いの届き方とともに、その匂いの捉え方の、両方の意味合いを含んだ巧妙な仕掛けがあるからだろうと睨みます。

     「焼きたてのクッキーからぷうんとバターの香りがした」のように、食欲をそそる「好ましい香り」にも適すものの、「ぷうん」の真骨頂はなんと言ってもクサイと感じる人が多い「好ましくない」要素を含んだ香りの表しでしょう。

     「ぷうん」と聞いただけで、何か臭うのかと思う人は多いはずです。

     今朝はここ二日ほどの天候のせいか、庭園美術館の前はよく臭っていました。このギンナンの香りはどう表すのが良いかと考えながら大木を見上げました。

     ここはやはり「ぷうん」だと確信、なにしろ急いで通り抜けたのですから。

    さ。

    ※雑感
     推理ものなどで確信をもって怪しいと感じた場面では「ぷんぷん匂う」などと表現するのも好ましくない「ぷうん」の進化した使い方のひとつだろうと思うのです。目に見えない、好ましくない対象や状態を想起してしまう「ぷうん」や「ぷんぷん」は使う場面に気を使うべき擬態語のひとつなのでしょうね。

    EMIRPs Today(2025-10-08)#2790 ぷうん

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