おはようございます、さいとうです。
ある日、ひょんなことから、新しい包丁が手に入りました。鍛え上げられた鈍色、手になじむ握り、適度な重さ、使いやすそうです。
道具は長く使い続ける性質です。慣れや勝手、手への馴染みが愛着を育てるだけでなく、機能する限りは働かせてあげたいと思うからです。実際、道具箱の中には小中学生の頃に集めたペンチやスパナがいくつか入っていますし、裁縫箱には小学校の家庭科で裁縫セットに入っていた糸切狭がまだ現役です。
包丁は、もう何年も使い込んだおり、切れが悪くなると簡易な研ぎ石をかけて少し整えるだけという、なんとも横着な使い方をしてきました。新調したいと思ったことも何度もありましたが、まだ使えるものにお暇をあげるという行為が申し訳なく、無理を強要するように感じて手離せなくるのでした。
新しくやってきた包丁は、刃物で名高い岐阜県関市で作られていました。外国ブランドを担いでいて舶来品のようですが、今はメイド・イン・ジャパン。
じっくり観察するまでもなく、刃面には鋼を鍛え上げた証しとして現れてくるうねる波紋が美しく流れています。真っ赤に焼いて鎚で打っては折り、打っては折りを繰り返す様子が目に浮かんできます。48折りと書かれていましたから、三つ折り1回、二つ折りを4回の工程で鍛え上げてあるのでしょう。
早速、試し切り。常用しているものとは雲泥の差。軽く添えるだけで、狙った通りに自由自在、プロの現場にも納められるだけあり、素晴らしい仕上り。
さて、何を作ろうか。最近、店で売られている挽き肉の脂がどうも気になるようになり遠ざけていたので、この包丁なら刻むことも容易いだろう思いたち、ながらく封印していた餃子を作ることにしました。
せっかくですから、二種類の豚肉を使って、細かく引いていきました。肉と脂の境界も、筋質な部分も、繊維質を断つも沿うも、お茶の子さいさい。あっという間に粗みじんの挽き肉が完成しました。かかる時間も、必要な腕の力も、今までの半分にも満たないと感じました。
何をするにも適切な道具は大切だとあらためて感じました。
さ。
※雑感
餃子が好きで以前は良く食べていたのですが、皮は小麦ゆえ、外で食べることはなくなりました。米粉製の餃子の皮が近所で売られているので、自分で作っていましたが、挽き肉の脂を気にするようになってからは遠のいていました。
レシピはきわめてシンプル、素材は徹底して少なく。豚肉とニラ、皮だけです。肉とニラを馴染ませるべく控えめに塩を降っておき、あとは包むだけ。焼いている間には、針生姜をたっぷりと刻み、小皿には酢と胡椒、好みで醤油やラー油を加えておく。柚子ポン酢とラー油もなかなか相性がよい。
そして焼きたてを針生姜と一緒にハフハフ言いながらいただくのが好みです。
EMIRPs Today(2025-09-04)#2768 鍛え上げられた道具で作る
