おはようございます、さいとうです。
今季のしんがり、胡蝶蘭のつぼみがようやく開いてきました、20輪目です。咲き始めが六月に入ってからでしたから、四十日で全てが開花した都合です。
一番最初に開いた花びらと最後のものを較べると、花の左右両端の長さが2倍近くも違います。咲き始めは5、6センチほどの小さいものが、徐々に徐々に花びらを左右上下に広く伸ばしていき、数週間をかけて両翼が十数センチの大きさに育ちます。
気温があがり水が蒸発しやすいからなのか、花びらの成長に水が多く使われるからか、花が咲き始めると吸い上げる水量が格段に増えます。朝に鉢の水苔を軽く手で触れてやって湿り気を感じなくなると水をやるのがこの時期の日課、その水やり頻度が増えるのです。
自宅のささやかな花株でもそんな調子ですから、花屋が育てる立派な胡蝶蘭はもっと水分を欲するに違いない。大きな魚を引っ掻けた釣り竿のようにクルリと弧を描いて先を伸ばす糸のような姿に添木を整え、その軸線上に十数輪の花が並ぶのですから、さぞかしたっぷりと水を必要とすることでしょう。
花屋の胡蝶蘭が式典への出席を許される公式な装いだとすると、居間の片隅でのほほんと育てている胡蝶蘭はくつろぎの普段着姿、ジーンズにTシャツを着ているようなものです。弧を描く添木を施されることもなく、好き勝手に育つ花軸は鉢の脇から陽光の差し込む方向を目指して横に伸びるありさま。
育てる人自身が、窮屈を苦手とするのですから、まあ仕方がありません。
その軸も蕾ばかりの期間は蘭が持つ腕力で斜め上に支えられますが、花がひとつ、ふたつと咲き、花が大きく育ち軸が重くなってくると頭を垂れてきます。
植物に限らず生あるものには、できる限り己の力で生きて欲しいと思っているので、多少垂れ下がっても踏んばれるように、床につっかえる前に手摺枠を潜って階段上へと突き出す方に向きを変えてあげたりします。かえって広い空間を手に入れた胡蝶蘭は広く舞い、生き生きとするように感じます。
さて、例年の花に準えると今年は8月末頃までは咲いてくれることでしょう。自身で目指すべき方向を定め、逞しくも優雅に舞う胡蝶蘭に学ぶ日々でです。
さ。
EMIRPs Today(2025-07-11)#2731 今年の胡蝶蘭は20輪
