夕暮れ時、道路工事業者がトラックに担ぎ上げる用具に目がとまりました。「南北線 延伸工事中」、場所が違う、そうか同じ業者が請けているのか。
昨日27日に国土交通省が、令和7年版「首都圏白書」を公表しました。首都圏の対象とされる都県は次の7つ、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県と山梨県で、同白書は首都圏整備法に基づき、首都圏整備状況をとりまとめて国会に提出されます。
「人口の状況・東京一極集中の是正」のまとめでは、「昭和50(1975)年以降一貫して増加し、令和2(2020)年をピークに減少に転じていた」首都圏の総人口が、「令和6(2024)年は前年から増加したものの、令和2(2020)年を下回った」とされていました。(括弧内は白書より引用、以下同じ)
東京都や首都圏の居住者の増減は「「転入超過数」が新型感染症前の数値に迫る水準となっている」一方で、総人口が前年よりも減っているのは、長期的な人口減少の兆しですが、その中、一都三県、いわゆる東京圏への年齢構成別転入率は「20歳代の転入率が上昇している」と示されました。
東京圏に若者が多い様子は実感とよく合います。転入が多いということはそこで生活を営まれているということ。
地域別・産業別の従業者数に目を向けると「ICT関連産業(情報通信業(情報サービス業等))、コンサルティング業(学術研究,専門・技術サービス業は、主に東京都で増加している」とされていました。
若者が働き、暮らす場は、東京圏にありという構図が浮き上がります。
これは、さらなる一極集中へと風向きが示しているのではないだろうか。
人口が減少傾向にある中で、日本の国際競争力を高めていくためには、総花的な取り組みではなく、資源の集中が肝要。現実は、東京圏にあるICT産業、コンサルティング業に重心があるようです。
若者が生活し、道路整備が進み、地下鉄網が伸びる、東京圏。
さ。
※雑感
白書を読み進めると「社会資本の整備」「防災力の強化」「国際競争力の強化」「環境との共生」など従来から掲げられている社会課題と並んで、「地域生活圏の形成」「関係人口の拡大」ともに「二地域居住等の促進」と記されていました。
二地域は主たる生活拠点とは別の地域に生活拠点をもつことで、そこでの関係人口を増やし、持続可能な地域社会の形成を促そうという企て。成長発展が著しい場合には「二地域居住」は効果的に機能するのでしょうが、限られた資源が分散してしまわないだろかと気になります。地方に出かけて、穴ぼこだらけの生活道がそのままに、すぐ近くに立体交差の高規格道路がそびえ、閑散としている様子を目の当たりにしたときに感じる空しい感覚と似ているよう。
※国土交通省ホームページ
令和7年版首都圏白書について
国土交通省国土政策局令和7年5月
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001889880.pdf
EMIRPs Today(2025-05-28)#2699 首都圏白書から浮かぶ未来
