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月: 2025年4月

  • 軽自動車市場の蜜

    軽自動車市場の蜜

     目の届く範囲を眺めるだけでも、日常に外国製品が多いことがわかります。この万年筆も、このウエアも、このスマートウォッチも、スマホもかなあ。日本企業が海外で作るものもあれば、海外企業の輸入品もあります。

     中国のEVメーカー大手BYD社が日本の軽自動車市場に参入する見通しだとの報が一斉に流れていました。2026年を目指すとあり、軽自動車市場もいよいよ海外勢が入ってくるとのニュースに吐息が漏れます。

     輸入車が拡大傾向に転じたのは円高が進んだ1980年代、85年のプラザ合意以後のこと、本格的に拡大したのはドイツ勢が日本に支社を構えて販売攻勢をかけてきた90年代になってからです。

     当時、1990年前後は日本国内の自動車市場が活況で、現在の倍近い年間1000万台が売れた最高潮の頃で、海外自動車メーカーが高級車を中心に進出し、いわゆる利ザヤの大きいカテゴリーではその存在感が大きくなりました。

     メルセデスベンツやBMWなどのラグジュアリーカーから、フォルクスワーゲンやプジョーなどのコンパクトカー、当時はスポーティーカーに特化していたたポルシェなどモーターショーのような賑わいをみせました。

     ただし、日本固有の自動車規格である「軽自動車」市場への参入はなかったように思います。並行輸入車の中には、軽自動車登録もできる小型のものもありましたがごく稀なケースであり一般に広まることはありませんでした。

     それが、ここにきてBYD社の照準は軽自動車にも向けられました。

     1990年通年の国内自動車販売台数は960万台、うち軽自動車は180万台。
     2024年通年の国内自動車販売台数は442万台、うち軽自動車は156万台。

     過去30数年にて乗用車や商用車の販売台数が半減する中、軽自動車は一定水準の販売規模を維持しています。新規参入者にとり小規模台数で利益を稼ぐのであれば従来の輸入車のように高級車狙いでしょうが、市場を席捲するつもりであるならば安定した規模をもつ市場に着目するのは順当な考え方でしょう。

     自動車産業は世界規模で大変革が進んでいます、大きな市場は欧州や米国から中国やインドに移り、動力もエンジンとモーターがひしめき合う。

     「クルマは日本のお家芸、軽自動車は独自の文化」
     日本社会が信じてきたクルマの常識は、ワイパーで拭いさらねば。

    さ。

    ※雑感
     参考までに、1990年と2023年ベースで輸入車の台数(通関ベース)で拾ってみると次のようでした。(自工会資料より引用)
     1990年 404,695台(うち、乗用車 251,169台)
     2023年 359,192台(うち、乗用車 320,725台)
     過去30数年間に新車台数は年間30万台規模で推移していることが分かります。この間、国内メーカーの乗用車(軽自動車を除く)の新車販売は半減したわけですから、高級輸入車の存在感は増すわけです。
     さて、軽自動車市場の未来はどうなるのでしょうね。

    EMIRPs Today(2025-04-23)#2677 軽自動車市場の蜜
    ※「軽自動車の蜜」から改題

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