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利発

 電車が案外と空いていたのは、通勤混雑もピークを過ぎたからなのだろう。車両の中ほどの扉の近くに座り、スマホで読書に耽っていました。

 途中の駅から乗り込んできた母子が前にやってきました。子どものリュックを母が担いでいたので、習い事があったのかお迎えに行った帰りなのだろうか。左肩に自分のバッグ、右肩にパンパンに膨れた子どものリュック、母強し。

 電車の扉が閉まった途端に、子どもの声が聞こえてきました。「おかあさん、カーリングをみせてよ」、「まってね、男子と女子と、どっちがいいの」、「どちらでもいいよ」、母親がスマホをいじりはじめました。

 スマホが、子どもの手に渡されました。小説を写す画面の向こう側で子どもが熱中している様子が伝わってきました、「どこの試合」「さあ」母親はもう、別のことを考えているよう。「日本対カナダだ」子どもが見つけました。

 背格好から察するに、まだ小学校にあがる前か上がったばかりかの歳だろう。ゲームをしたり、キャラクターの動画をみていたりする子どもを見かけることはままあるが、カーリングの試合をねだりすぐさま対戦チームを判別するだなんて、すいぶんと、んんん、ここで頭が止まってしまった。

 賢いという言葉がしっくりこない。なんというか、口も達者で機転が効いている感じってなんというのだろう、そうだ、利発な子だ、この歳にしてすでに、すっかりデジタル世界に広がる情報空間を巧みに歩き始めている。

 思いを巡らせていたら、どこまで読み進んだのだか分からなくなり前のページに戻って読み返しました。まったく利発とはほど遠い、一人で苦笑しました。

さ。

※雑感
 「利発」と似た類いの言葉に「聡明」があります。両方とも、賢い様子を表す言葉ですが、少しニュアンスが異なるように感じます。「利発」には頭の回転が速く機転が利くような賢さがあり、「聡明」には豊富な知識や見識に基づく大きな賢さがあるように、感じるのです。どちらも大切なことですが、幼い「利発」の才には唸ってしまいます。
 「利発」さはどうやって伸ばしていくのしょうね。デジタル情報空間が広がりAIと共存する時代においては、「利発」がとても大切に思うのです。

EMIRPs Today(2025-03-25)#2656 利発

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