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白花豆を炊く

 トウで編んだ籠の中にある白花豆がずっと気になっていました。数年前に購入して何度か炊いた残り、乾物だから大丈夫だろうと入れっぱ。

 先日思い立って、ひさしぶりに白花豆の煮豆を作りました。手に入れたときは穫れたばかりの新物でしたが、すっかりひねものです。まずは水に一晩浸して様子をみました。翌朝、少し膨らんできましたが、まだ腹のあたりにしわが残っていました、水を入れ替えてもう一昼夜は置いてみました。

 二日目、豆が大きく膨らんできてしわも消えてきました。水を入れ替えてさらにもう一昼夜。三日目、豆が二倍近くになり、ほとんどしわが目立たなくなりました。あと一日くらいだろう、四日目、水をたっぷりと吸いこんだ、ふくよかな白花豆になりました。何年か干しただけあり、時間がかかりました。

 ここからやっと調理です。ゆったり浸るたっぷりの水量で三度ほど茹でこぼしをしました。割れてしまったり、皮がめくれ上がったりものもなく、すべてを使えそうです、あたりに豊穣な大地の香りが漂いました。

 あとは、沸いた湯で豆が踊らないようにひたひたにして落とし蓋、ごく弱火で茹でるだけです。湯気の様子をみながら火加減を絞っておいて、美味しくなれよとおまじないをかけました、二時間ほどは炊くので読書の時間です。

 白い豆は、白花豆と白インゲンがあります。花豆はインゲン属のベニバナインゲン、赤い花が咲く紫花豆と白い花で子実も白い白花豆があります。少々ややこしいのは白花豆はインゲン属ですが、白インゲンとは別の種だということ。白花豆は、豆の大きさは白インゲンの倍近くあり、糖質が多く食感がほくほくとしていて豆というよりは栗や芋のような食べ応えがあります。

 せっかく、手間暇かけて豆を炊くなら白花豆がいい。そう思って何度か試してみましたが、戻し時間が不十分だったり、火加減が強すぎて割れてしまったりとなかなか満足がいかず、最後の一回分くらいの豆を袋にいれたまま、籠の中のオブジェとなっていたのでした。

 さて、そろそろ炊きあがったよう。もともと豆に味があるので、甘さはぎりぎりの控えめを狙います。使うのはいつもの黒糖、北海道産の白花豆に沖縄産の黒糖を合わせるのですから、ぜいたくな話です。仕上げにはミネラルたっぷりの塩をひとつまみ、ここからさらに一昼夜、味が馴染むように休ませます。

 ガラス瓶に、うっすらと黒糖に染まった艶々の白花豆がたっぷり。
 見ているだけで、にんまり。

さ。

※雑感
 今回作った白花豆の煮豆は成功でした、満足です。ほっくりとした食感、豆自体がもつ優しい甘みと黒糖の風味が絡む。コーヒーのローストのような香りもするのが面白い。数年越しに、数日を掛けて、ようやく辿り着いた。
 それにしても乾物はいいものですね、食べ物を冷蔵庫や空調機器などにエネルギーを使わずとも、何年間も保持できるのですから素晴らしい術、工夫です。乾物や干物と言う言葉からは古臭い印象をもってしまいますが、太陽光やその熱量、風による乾燥、昼夜の寒暖差などの自然エネルギーを活用した食物との優しく穏やかな向き合い方は、もっと応用展開してもよいと思うのです。
 ドライフーズの可能性は探りたい、つねづね企んでいるテーマのひとつです。

EMIRPs Today(2025-01-24)#2617 白花豆を炊く

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