あけましておめでとうございます。
おいしいかきのたね、ああややこしい。美味しい「柿の種」なのか、「美味しい柿」の種なのか。
初秋に手に入った柿に感動した。五感が共鳴する甘さといい、さくりと奏でる触感といい、これまで食べた柿の中で群を抜いて一番だった。すまし顔の美しい種がまた憎らしい。
これはもしやと思い立ち植木鉢に四粒を埋め、実生を図った。
ニ、三日で芽が吹くなんて思わないが、ひと月過ぎても何も起きないと気がかりだ。トトロにならって真夜中に周りを踊ろうかと思い始めたころに土がむくりと持ち上がった。
ひとつ、数日後にまたひとつ、順番に種皮が宙に浮いた。
植物の種子にはつくづく感心する。あの小さな粒の中に、殻を割る好機も、葉の色も樹の形も、花の咲きかたも実らせかたもすべてがぎゅっと仕舞われている。デジタル世界の記憶容量や処理速度とは無縁の仕掛けで、生命の情報を紡いでいるのだ。
ああ人生も一周回った、種の聡明さに肖りたいものだ。
2025年が健やかな一年となりますように。
本年もよろしくお願いします。
年頭のごあいさつにかえて
さ。
EMIRPs Today(2025-01-06)#2604 つむぐ
