おはようございます、さいとうです。
「ここに並んで」子どもたちが背の順だ、隣は顔を寄せ合う自撮りカップル。鯉のぼりを背景に撮影する人たちがわんさか、マスクを外した笑顔が眩しい。
関東地方の連休は、まずまずのお天気に恵まれたように思います。雨の日や、風の強い日もありましたが、お出かけやアウトドア・レジャーを楽しむ様子にああ、こうでなくっちゃと思ったのでした。
晴れた日に三浦半島に足を伸ばしました。江の島からぐるり一周の岬めぐり。三浦海岸の中ほどに、旗がぱたぱたと揺れて見えました。漁港のあたりだから大漁旗だろうか。海岸通を走り進みます、「鯉のぼり」が大漁でした。
海風を孕ませた鯉たちが悠々と泳いでいました。潮の香りと鯉の取り合わせが何ともくすぐったい。鯉の元では、漁師が道具の手入れをされていました。
翌日は北へと向かいました。多摩川の上流へと北上して高尾駅に抜けました。南浅川の堤防道路を下ってくると川を跨ぐ大綱に鯉のぼりが並んでいました。
住宅地で鯉のぼりを見かける機会はすっかり減りましたが、数十匹から数百匹を泳がせる活動は各地にあります。家庭で埃を被ってしまっている鯉のぼりの寄贈を受けたりして数を揃えて一斉に泳がせるわけです。一匹、一匹には異なる歴史を持ち各々の役割りを背負った鯉たちが集うのです。
橋の中ほどから、青空を泳ぐ魚群を眺めました。そよ風の緩急や機微に応じて順々に跳ねたり腰をくねらせたりする鯉。まるでアイドルグループのステージのよう。大きさや色彩、年季の入り方も様々ですが、ひとところに束なることで発揮される、艶やかさや魅力、威力もあるのだと感慨深い。
さて、社会を委縮させた未曽有の疫禍を乗り越えた今、知恵の使いどころだ。山から吹く風が川原を駆け抜けました、鯉たちがふわっと浮かびました。
さ。
※雑感
連休はゆっくりお休みになりましたか。海外に出かけられた方、帰省されたり国内旅行を楽しんだりした方、イベントや観光地の賑わいはエントロピー。南浅川の鯉のぼりイベントでは、坂本九の歌が大音響で流されていました。なぜ、坂本九なのだろう、「鯉のぼり」とは昭和で繋がるようにも思う。
「明日がある 明日がある 明日があるさ♪」、青空が眩しい。
※「明日があるさ」(作詞:青島幸男、作曲:中村八大、1963年)は、テレビ番組「明日があるさ」の主題歌だったそう。東京五輪の前の年。よく耳にするウルフルズのカバーは、2001年のことでした。