おはようございます、さいとうです。
世界の新車販売におけるEVシフトが騒がしい。中国では1/3の新車がEVだと鼻息荒く、米国はEV優遇制度で国内生産EV車の販売を強烈に後押し。
自動車産業の栄枯盛衰は、環境問題への対応が大きく響くとつくづく感じる。半世紀あまり、20年毎の国別自動車生産台数ランキングを紐解いてみよう。
まず1960年、世界の国別自動車生産台数ランキングは欧米勢が席巻していた。主要五か国で85%近くを占めており、イギリスも世界三位の生産台数を誇っていた。当時の日本の生産台数は、わずか50万台に過ぎない。
●1960年 世界全体自動車生産台数 1650万台
●順位:アメリカ→ドイツ→イギリス→フランス→イタリア
1970年の米国「マスキー法」による排ガス規制が業界に早鐘を打った。米国が苦戦する中、小型車で低公害エンジン開発にいち早く成功した日本が躍進。ドイツ、フランス、イタリアも堅調に台数を伸ばしイギリスは対応が遅れた。
●1980年 世界全体自動車生産台数 3860万台
●順位:アメリカ→日本→ドイツ→フランス→イタリア
1990年代は戦々恐々。「98年ゼロエミッション」を掲げたカリフォルニア州の法案に自動車業界が環境対策車やハイブリッド車をつぎつぎと投入、日本には追い風となり過去最高の生産1000万台を記録、韓国が日本の後を追い躍進。
●2000年 世界全体自動車生産台数 5840万台
●順位:アメリカ→日本→ドイツ→フランス→韓国
そして、2010年代に環境意識が高まり、EV乗用車の本格的な普及が始まる。コロナ禍の影響を避け2019年のランキングを見ると次のよう。人口増を背景とする中国が大躍進、インドも拡大する中、米国は伸びたが、日本は縮んだ。
●2020年世界全体自動車生産台数 9040万台(※2019年数値を代用)
●順位:中国→アメリカ→日本→ドイツ→インド
日本は順位こそ3位を維持したが、台数は2000年の1000万台から2020年の500万台まで半減し、その規模は、中国の1/5、アメリカの1/3以下となった。
2020年代後半から2030年代にかけて、環境対策はさらに強化されるでしょう。2040年、日本の自動車産業はどうなるのだろう。
さ。