EMIRPs Today(2023-02-24)#2149 春は苦味

おはようございます、さいとうです。

苦味も悪くないと感じたとき、大人になったような気分になりました。コーヒーに美味しさを感じたのが、苦味を知った最初だったように思います。

「春の皿には苦味を盛れ」という言い方があります。読んで字のごとく、春になると苦い野菜たちを食べることを良しとするという、料理の世界の教え。

苦味のある春の食材と聞くと、まず山菜の類が目に浮かびます。

ふきのとうやタラの芽、せり、みつば、菜の花、つくしなど、暖かい季節の訪れを知らせてくれる数々。子供の舌には、どうにも美味しさがわからなかったこれらの食材も、年齢とともに好むようになるのですから面白い。

もちろん、春に限らず苦さを楽しむ食はあります。夏の鮎や秋のさんまは内臓の近くは苦いし、コーヒーのカフェインも、お茶のカテキンも、チョコレートのカカオも、そのほろ苦さが美味しさの鍵だったりする。

では、春に苦味を食すことには、どんな意味があるのでしょう。身体は寒い冬の時期には冷えないように脂をためて代謝を抑えるように働き、春になり気温も上がると代謝が良くなろうとします。ただ、身体はまだ冬仕様のままです。そこで苦い食材で老廃物を排出し身体に活気を与えると考えられたわけです。

朝食を食べながら、口いっぱいに苦い感覚が広がりました。コーヒーの苦みやトーストに載せたマーマレードの苦みだけではないよう。今朝の一番強い苦味は、長引いている争いごとの報でした。

早く老廃物が流れ出て、平和な活気が戻りますようにと願いました。

さ。