EMIRPs Today(2022-07-25)#2009 情熱の旨辛さ

おはようございます、さいとうです。

半時間も外にいるだけで汗が噴きだした週末、入道雲がさらに暑さを煽る。土用の丑の日は、趣向を変えてカレーを食べに行ってきました。

どこだろう、地図によると辻堂のこのあたり、初めて通る駅前繁華街に戸惑いながら角を曲がりました。ああ、ここだ。縦に「スパイスカレー」と大書された黄色いのぼり旗が掲げらていました。「こんにちは、おひさしぶり」。

友人が脱サラして飲食業界に飛び込んだのはもう数年前だろうか。あらためて調理を学び、辻堂の駅前にお店を開いたのでした。ひと仕事をやり遂げてから大きく舵を切って異業種に飛び込み、見事、形にした彼に脱帽しました。

平常は夕刻から、串焼を売りに一杯ひっかけて行くのにちょうどよい仕立て。ところが何週かごとに、土曜日の昼の三時間だけカレー屋に変わるのです。

「夢は、ハワイでカレー」、彼からその話を聞いたのはもう四半世紀前です。バブルの焦げ跡がようやく落ち着き、インターネットが日常生活に近づき始めたころでした。二十代の専売特許、憧れ熱を語っているのだろうか。とうとうと語る彼の「夢」は「夢物語」ではなく、壮大な「人生計画」でした。

「さいとうさん、どうぞ」、すっかり板についた料理人の立ち居に満面の笑みが載る。奥角の席に通されました。「はるばるありがとうございます」、予約席を示す筆書きの札、細やかな気配りは彼の持ち味だ。

つぎからつぎへとお客様がやってきます、さささっと食べる方、ジョッキを片手に皿に向かう方、隣のお客さんに「またね」と声をかけてから席を立つカップル。開業して二年と聞いていましたが、すっかり馴染み客が付いている。

大きなお皿が運ばれてきました。この日のために容易された三種類のカレーと数種類の付け合わせが、まるで一枚の絵画作品のように盛り合わせされていました。ああ、きれいだ。

さっそく、いただきました。旨い、辛い。近ごろで一番美味しいカレーだ。四半世紀の情熱がその一皿に込められていました。

さ。

※雑感
このたまに週末だけ現れる幻の店は「カレー研究所」と呼ばれています。そのストレートなネーミングはいかにも彼らしい。何週間に一回しか現れないし、メニューもカレーの一本だけの自店でのポップアップ食堂ですが、インスタを見たり、店の常連だったりが、逃すことなく訪れてきました。
売り切れ後免の限定スタイルで用意したカレーがなくなるまでの営業だそう。次はいつだろう、何度でも行きたくなる情熱の旨辛さでした。

※タイヨウ カレー研究所
https://www.instagram.com/taiyo_tsujido/