おはようございます、さいとうです。
このあたりだろうか、地図と睨めっこ。ここだ、路地を左手に曲がりました。いきなり始まったのは爪先上がりの坂、ゆっくりと登って行きました。
田植から梅雨入り前のこの時期は、田んぼに張られた水が鏡のようで美しい。特に棚田のそれは格別です。ある時、神奈川県葉山にも棚田があると知りました。水面が空を写すのは苗が育つ前のひと時限り。やっと時機があいました。
棚田とはどういうものだろう、農林水産省は次のように定義しています。
山の斜面や谷間の傾斜地(傾斜20分の1以上とします)に階段状に作られた水田のことを棚田と言います。
出所)農林水産省、棚田地域の振興について
同省の資料を読み進むと、全国に5万4000カ所の棚田があり、総面積は13.8万haとなるそう。中国地方に立地する棚田が最も多く約2万カ所、次いで九州に1万1000カ所、関東地方には7500箇所、1.9万haの棚田があるそう。
棚田の維持、活用は多くの費用がかかり、生産条件が悪いと言います。そこで3年前の2019年6月に棚田地域振興法が成立、同年8月16日に施行されました。棚田の保全に留まらず、棚田を軸にした地域全体の活性化を図る狙い。
さて、葉山にあるのは「上山口の棚田」と呼ばれる一画です。三浦半島の葉山と横須賀を結ぶ道の中ほど、山越えで標高が高くなっている山間に位置する。
急坂に期待は高まります。北斜面に貼り付くような細道を、えっちらおっちら登りました。道が折れて水平にしばらく進むと見晴らせる場所にでました。
ちょうど水を張ったばかりの田んぼが段々と並んでいました。かつては数百枚の田んぼが広がっていたそう。これを維持するのは、大変なことなのだろう。現地に設置された看板には、つぎのように記されていました。
棚田は観光地ではありません。営農者の耕作努力によって保全されています。
何かできるか、棚田で収穫されたお米をいただくことはできるのだろうか。ゆっくりと慎重に坂を下りました。
さ。
※農林水産省ホームページ
棚田地域の新興について
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/tanada.html
棚田地域振興に関する説明書
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/attach/pdf/tanada-9.pdf
参考)地方別の棚田の分布(個所数順)
中国 2万0600カ所/5.9万ha
九州 1万1000カ所/2.6万ha
関東 7500カ所/1.9万ha
近畿 5500カ所/1.1万ha
北陸 3200カ所/0.7万ha
東北 2800カ所/2.8万ha
四国 2500カ所/0.4万ha
東海 1300カ所/0.3万ha
全国 5万4000カ所/13.8万ha
出所)同上