EMIRPs Today(2021-07-05)#1757 優しく空気を切り取る

おはようございます、さいとうです。

土曜日、居間が明るくなったところで満開の胡蝶蘭を撮影しました。古い中望遠レンズを引っ張り出して覗いてみました。

多くのレンズは製造番号がしっかりと刻まれています。例えば、レンズを正面から眺めたときに、ガラス玉の周りにブランド名や形式、開放値、焦点距離などと一緒に製造番号が並んで記されています。

今回、引っ張りだしてきたのはニコンのフィルム時代に造られたレンズです、NIKKOR P・C AUTOというレンズ製品群の105mmのものです。製造年を調べてみると、1974年生まれ、約50年前に造られた普及版のレンズです。

未来技術遺産に登録されたミノルタのオートフォーカスカメラα-7000の登場が1985年。1970年代は、まだ一眼レフカメラがまだ特別な精密機械で、それを扱えるのは、相応の知識や技能、経験のある特別な人だと思っていました。

この105mmは、十年ほど前に手に入れましたが、最近は、なかなか撮影する機会も少なく保管庫にしまってありました。と言うのも、乱視が強くなってからは、一眼レフの小さい窓でピントを探り合焦させるのは至難の技で、ついついオートフォーカスに頼りっぱなしでした。

昼間、室内全体が明るくなっていたので光が跳ねることもなさそう、古い設計のレンズでも撮りやすい環境です。久しぶりにカメラに付けてみました。鏡筒は細いのに、金属とガラスの重さを感じました。

3メートルほど離れたところから、狙ってみました。解放ではあまいものの、少し絞ると良い感じになりそうです。

最近は、高精細なデジタルセンサーを最大限活かすような、パリパリ硬い描写のレンズが多い中、このレンズは、優しく空気を切り取ってくれました。

さ。

※雑感
レンズの設計技術は日進月歩。材料も、形状も随分と進化しています。スマホについているレンズなんてほんの数ミリの径で小指の爪よりも小さいほど、厚みも僅かなのに、びっくりするほどきれいに撮影できますからね。それでも、この50年前に造られたレンズも悪くないなあと感じます。古典的なレンズは、家具や食器、自転車、工具などと似た一族。電気も使わない、電波も要らない道具が愛おしい。