EMIRPs Today(2021-05-07)#1716 「ふん」と「ぷん」

おはようございます、さいとうです。

「さんふんほどお待ちください」。
どこかにむず痒く感じるのは、古い世代の性なのでしょう。

時刻の分を数えるとき一分は「いっぷん」、二分は「にふん」と習いました。「ぷん」と「ふん」が入れ替わり立ち代わり現れますが、小さいころに刷りこまれているから、意識することなく「はっぷん」などと口をつきます。

いつ頃からでしょう、巷では、三分は「さんぷん」よりも「さんふん」、四分は「よんぷん」よりも「よんふん」との言い方を耳にするようになりました。

「ふん」や「ぷん」は、直前にくる文字音により半濁音のゆらぎがあります。おそらく発声する際の音の繋がりの容易さから落ち着いた、ある種のデファクトスタンダードなのでしょう。

基準は「ふん」。「にふん」「ごふん」「ななふん」「きゅうふん」など。
直前の文字が「ん」の場合は「ぷん」。「さんぷん」「よんぷん」。
直前が「ち」の場合、「っぷん」。「いっぷん」「はっぷん」。
直前が「う段」の場合も「っぷん」。「ろっぷん」「じ(ゅ)っぷん」。

デジタル社会の普及で、もっとも言葉流通に影響を与えた変化のひとつは、「文字でのおしゃべり」を実現したことだと思います。何もチャット形式だけではなく、メールやSNSの画像、動画への短い書き込みも含めてです。

音にする必要がなくなると、発声のために培われてきた揺らぎによる工夫は、単に面倒な形式なだけ。一律、同じように読む方が楽ちんで間違いがない。

デジタル・ネイティブ世代が、3分は「さんふん」、4分は「よんふん」、11分は「じゅういちふん」と読んでいるのは、視覚で理解している言葉と耳で聞く言葉が直感的に繋がり易いのだと思うのです。

時分秒に「ぷん」が登場するのは、古典の世界になるかもしれません。

さ。

※雑感
時分秒の「ふん」は揺らぎがあるのですが、分数では「さんぶんのいち」、「はちぶんのいち」と読みますから、前の文字が「ん」や「ち」であっても「ぷん」や「っぷん」とは言わない。他には、人数あての分量を表す場合の何人分でも、例えば八人分は「はちにんぶん」で「はちにっぷん」ではない。揺らぎによる誤認を嫌うからでしょう、分数や人分の「ふん」は濁音「ぶん」となり、一律の表現に落ち着いているよう。
緊急事態宣言が、月末までの延長になるようですね。
大きな方針や大切な計画には、揺らぎのない表現が大切だと感じる日々です。