おはようございます、さいとうです。
小ぶりですが、濃い色の皮はぼこぼことしっかりしています。別嬪なカボチャが手に入りました。
さっそく何か作ろうか、包丁を当てた途端に甘い香りが溢れだしてきました。半分に割ってみると実も種もわたもつやつや。種と絡んだわたの部分を大きいスプーンで取り出しました。実は料理しやすいように柵に切っておきました。
除けてあった種とわた、瑞々しい香りが立っているのはこちらのようです。わたの中に人差し指の爪ほどの白肌の種が、たっぷりと詰まっていました。そうだ、かぼちゃの種を炒って食べることができると思い出しました。
わたの中に埋まった種を、指先で弾くように取り出していきました。繊維状のわたが種を包むようにふんわりと抱えているだけなので、するすると外れていきます。どこか懐かしい指先の記憶、幼いころのおはじきの感覚が近い。
取り出した種子をざるに貯めて、周りについている滓をじゃらじゃらと洗い流しました。あとは、水気を拭き取り、平鍋で炒るだけです。
焦げ付かないように適当に動かしながら数分、表面が少し焼け色がついてきたので仕上がり。火を止めて器に入れると、湯気があがっていました。
粗熱が取れたところで、ひとつ摘まんで取り上げました。食べる段になって初めて思いの外に小さいことに気が付きました。指先で前後にひねると種皮が割けました。端っこを爪先で押すと小判型の薄い仁がするっと出てきました。
口の中に、ほのかにカボチャの風味がしたようでした。気のせいだろうか、続けて幾つか食べました。違わず香りが広がりました。
こんなに小さくても、存在を主張しているよう。
南の島のカボチャは逞しい。
さ。