EMIRPs Today(2020-11-12)#1601 生物が知らせる季節

おはようございます、さいとうです。

ホンダが自動運転レベル3を満たす乗用車「レジェンド」を発売予定と伝え、トヨタはクラウンのセダンタイプ廃止を検討しているといいます。自動車は生存環境に応じて自在に変化する生物のよう。

10日、気象庁は「生物季節観測」の対象を変更すると発表しました。

「生物季節観測」とは耳馴染みのない言葉ですが、季節の知らせや変化を植物の開花や動物の初鳴きなどで観測する活動のことです。植物は34種目、動物は23種目を対象としており、さくらの開花情報はそのうちのひとつです。

1953年(昭和28年)に全国で統一した方法で観測が始まり、2020年1月現在、全国の気象台・測候所58地点で観測されてきました。

発表によると、現在57種目ある対象を2021年1月から6種目に絞り込むという。気象台や測候所周辺の生態環境変化があり、植物は観測対象とする標本木の確保が難しくなり、動物は対象を見つけることが困難になってきていると説明されていました。来年以後、継続されるのは次のものです。

〇 あじさいの開花
〇 いちょうの黄葉・落葉
〇 うめの開花
〇 かえでの紅葉・落葉
〇 さくらの開花・満開
〇 すすきの開花
出所)気象庁、生物季節観測の種目・現象の変更について

ウグイスやアブラゼミ、ツクツクホウシの初鳴きも、燕や蛍を初めて見た日も、アゲハ蝶やモンシロチョウ、シオカラトンボの初見も、ニホンアマガエルやトノサマガエルの初見も、動物関連はすべて対象から外れました。

何しろ約9割が廃止され、植物6種目の9つの現象に限られるわけです。

工業製品は環境変化に応じて技術や設計を変えることで対応ができますが、生物の進化は、数十年の急速な変化に適応できるものではありません。

半世紀における生態環境変化の衝撃をあらためて考えるべきなのでしょう。

さ。

※雑感
気象庁のホームページにはこれまでの観測情報を種目別に公開されています。貴重な科学観測情報が途絶えることになるですから、苦渋の決断でしょう。プレスリリースには次のように記されていました。
「なお、廃止する種目・現象を含む観測方法を定めた指針を気象庁ホームページで公開する予定ですので、地方公共団体等において各々の目的に応じて観測を実施される際にはご活用ください」。

※気象庁ホームページ
生物季節観測の種目・現象の変更について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2011/10a/20201110oshirase.pdf
生物季節観測の情報
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html