EMIRPs Today(2020-11-19)#1606 ノブドウは何色

おはようございます、さいとうです。

今日は、11月の第三木曜日なので、ボジョレーヌーボの解禁日。時計の長針をにらみながらのカウントダウン・オンライン飲みは、新しい。

ボジョレーヌーボは、今年収穫された葡萄を用いて作られるワインの新酒で、ガメイという葡萄の種類が使われます。ガメイってどんな姿なのでしょうね。

先日、母が生垣を手入れしているのを眺めていたら、なんだか色とりどりの実を見つけました。白、緑、青、紺、紫。ビー玉よりもひと回り小さな丸い実が、アイビーの葉のあちこちに見え隠れしていたのでした。宝石箱のよう。

名前は何、さっそく尋ねました。「ノブドウ」。え、葡萄なの、房はないな。指先でつまんでみると硬くて南天のよう。果物の葡萄とは異なるようです。

ノブドウは、漢字では野葡萄と書き、日本では全国でみられる蔓性の植物。空き地や公園などちょっとしたところに生息。食用やワイン用ではないし、同じく野生に生息する山葡萄のように酒に仕込むものものでもないそう。

それでも、指先で囲えるほんの数センチほどの空間に、チューブから絞り出したばかりの絵具のように艶やかな彩りが、幾色も寄り添いながら育つ様子に、自然の不思議を感じずにはいられません。

こんなに綺麗なのだから、少しは食べることが出来のだろうか。
「鳥たちは食べているみたい」。へえ、そうなんだ。

食べる葡萄、飲む葡萄、見る葡萄。
葡萄もいろいろあるようだ。

さ。

※雑感
大地や植物をイメージするアパレル用語にアースカラーという言い方がある。茶色系から緑色系の色の範囲を指すものですが、そこに空の色や海の色等の青色系が含まれるとエコロジーカラーと呼んだりします。ノブドウのように折り重なる極彩色や、葉裏から朝陽が照らす銀杏の黄金色、桜並木の葉がオレンジ色に焼け色などをみると、自然界にある色っていいなあと思うのですよね。

EMIRPs Today(2020-11-17)#1604 鴨川の冬鳥

おはようございます、さいとうです。

鴨川を散策していると、浅瀬には鳥たちがたわむれていました。冬の鴨川は渡り鳥が美しいですが、近年、鳥が増えたように思います。

京阪電車がまだ出町柳まで延伸する前は、三条駅がターミナルでした。東福寺よりも北側の七条あたりから三条駅までは鴨川に沿って地上を往来。窓際の日向に座り、ユリカモメが戯れる様子を眺めるのが好きでした。

ユリカモメはロシアのカムチャッカ半島からやってくる渡り鳥です。晩秋から冬の間を鴨川で過ごすのですが、約3000キロを飛んで京都の鴨川に降り立つのですから、GPSナビに劣らぬ精度の高い羅針盤を備えているのでしょう。

京都市のホームページには、冬場にみられる鳥の種類が紹介されています。先の渡り鳥ユリカモメやよく見かけるマガモの他にも、コガモやヒドリガモ、オナガガモ、ヨシガモ、ハシビロガモ等のカモ類やハマシギ等が飛来するそう。

鴨川の鳥が増えたのは地元の方々、上流の方々が水辺の環境を整えてこられたことの成果なのでしょう。マガモやコガモに交じり、白鷺がいたり、なぜか、カラスが群れて水浴びをしていたり。ああ、古都の晩秋、昼下がり。

用事を済ませ、その日のうちに帰るため京都駅に向かいました。土産物屋も改札周辺も、ロビーやホームも観光客であふれんばかりでした。

Go Toが観光移動の環境整備に役立ったことは間違いないのでしょう。のぞみ号は、京都を楽しんだ渡り鳥で満席でした。

さ。

※雑感
京阪電車本線の東福寺から三条駅まで地下に移行したのが1987年でした。その後、三条駅と出町柳駅を結ぶ鴨東線(おうとうせん)が開業したのが、1989年10月、平成が始まった年でした。
京阪電車が地下になったことは、鳥たちには良い方向に働いたのだろうか。もしも今も地上を走っていたら七条から出町柳までずっと鴨川を眺められる。いろんな種類の渡り鳥が見られると楽しいだろうなあ。


EMIRPs Today(2020-11-13)#1602 凍結ホップの風味

おはようございます、さいとうです。

おいしいホップの生ビールが発売になったと工場長のメールに書かれていた。新鮮なホップを直ぐに凍結して使用するので香りが良いそうだ。気になる。

泡を載せた生ビールのジョッキをぐわと掴んで豪快に飲み干す輩は勇ましい。大人になっても、いったんお腹に収めた空気を上手に抜くのが苦手なようで、炭酸飲料はもとよりビールも飲むとお腹がパンパンになるので敬遠しがち。

ところが「香りが良い」と聞くとまったく話は別だ。食いしん坊特有の風味を求める渇望心がふつふつと湧き上がってきて、どんなものなのかと確かめずにはいられなくなる。

早速、店に入り棚に並んでいる商品を探して外見を確かめた。よしこれだ、帰りに家の近くの店で買うことにした。ああ、なんてこった、立ち寄った店ではすでに売り切れていた。もう、冒険は止まらない。

翌朝、コーヒーを買う時に棚に並んでいるのを見つけた。朝から缶ビールを買うのはさすがに気が引けたので夕刻に手に入れることにした。お昼休みに覗いてみると350ml缶はすでに売り切れていて、ロング缶が数本しかない。

これは、まずい。一本を手に取りレジに向かった。すぐに順番が回ってきた。「袋は要りますか」、店員の声に一瞬迷った。

「昼休みに、缶ビールを片手にオフィスに戻る社長」は、いかがなものか。

いや、ぼくには大義名分がある。友人が丹精を込めて作りあげた商品の味をいち早く確かめるのだと自分に言い聞かせた。「袋は結構です」。

缶ビールを鷲掴みで階段を上がっていくと、ちょうど何人もがランチに降りてくるところだった。どうも、視線がぼくの右手に集まってくる。

真昼間にセーターのひげ面が、缶ビールを持ってニヤニヤしているのだから。

さ。

※雑感
ホップが国内でも栽培、収穫されていることを知りませんでした。ビールメーカーと契約した農家が東北地方や北海道で専用農場をもっており、日本最大の生産地は岩手県遠野市だそうです。
蔓性の多年草で10メートルを超える丈にもなり、10年以上も収穫できる作物。そもそも、ホップって何。ホップが成長して雌株につく「毬花」という松ぼっくりのような形をしているもの。生だとどんな味がするのだろう、気になる。

※KIRINホームページ
~岩手県遠野産ホップの旬のおいしさが楽しめる、今しか飲めない一番搾り~
「一番搾り とれたてホップ生ビール」を期間限定で発売
~発売17年目で累計3億本※1超え!今年も“とれたてホップ”のおいしさを~
https://www.kirin.co.jp/company/news/2020/0826_01.html
農家と一体になっておいしいビールを。キリンビール仙台工場とホップ生産者の歩み
https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/n/nc8e58647e9a2

EMIRPs Today(2020-11-12)#1601 生物が知らせる季節

おはようございます、さいとうです。

ホンダが自動運転レベル3を満たす乗用車「レジェンド」を発売予定と伝え、トヨタはクラウンのセダンタイプ廃止を検討しているといいます。自動車は生存環境に応じて自在に変化する生物のよう。

10日、気象庁は「生物季節観測」の対象を変更すると発表しました。

「生物季節観測」とは耳馴染みのない言葉ですが、季節の知らせや変化を植物の開花や動物の初鳴きなどで観測する活動のことです。植物は34種目、動物は23種目を対象としており、さくらの開花情報はそのうちのひとつです。

1953年(昭和28年)に全国で統一した方法で観測が始まり、2020年1月現在、全国の気象台・測候所58地点で観測されてきました。

発表によると、現在57種目ある対象を2021年1月から6種目に絞り込むという。気象台や測候所周辺の生態環境変化があり、植物は観測対象とする標本木の確保が難しくなり、動物は対象を見つけることが困難になってきていると説明されていました。来年以後、継続されるのは次のものです。

〇 あじさいの開花
〇 いちょうの黄葉・落葉
〇 うめの開花
〇 かえでの紅葉・落葉
〇 さくらの開花・満開
〇 すすきの開花
出所)気象庁、生物季節観測の種目・現象の変更について

ウグイスやアブラゼミ、ツクツクホウシの初鳴きも、燕や蛍を初めて見た日も、アゲハ蝶やモンシロチョウ、シオカラトンボの初見も、ニホンアマガエルやトノサマガエルの初見も、動物関連はすべて対象から外れました。

何しろ約9割が廃止され、植物6種目の9つの現象に限られるわけです。

工業製品は環境変化に応じて技術や設計を変えることで対応ができますが、生物の進化は、数十年の急速な変化に適応できるものではありません。

半世紀における生態環境変化の衝撃をあらためて考えるべきなのでしょう。

さ。

※雑感
気象庁のホームページにはこれまでの観測情報を種目別に公開されています。貴重な科学観測情報が途絶えることになるですから、苦渋の決断でしょう。プレスリリースには次のように記されていました。
「なお、廃止する種目・現象を含む観測方法を定めた指針を気象庁ホームページで公開する予定ですので、地方公共団体等において各々の目的に応じて観測を実施される際にはご活用ください」。

※気象庁ホームページ
生物季節観測の種目・現象の変更について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2011/10a/20201110oshirase.pdf
生物季節観測の情報
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html

EMIRPs Today(2020-11-11)#1600 折衷あん

おはようございます、さいとうです。

お菓子をもらいました。こし餡薄皮の饅頭をチョコでコーティングしてある。和と洋の甘い魅力を一挙両得にする企みは、和洋折衷ということか。

折衷を調べると、いくつかの良いところを取り入れてひとつにまとめ上げることとあります。衷は、中ほどで偏らないことを表す文字ですから、主義主張や考え、特性の良いところの中ほどということでしょう。

では、折はどういう意味を持つのだろう。

交渉に折れる、折れたという表しがあるように、折るには主張を取り下げたり抑えたりする意味があります。折り合いをつけると聞くと、どこか主張や要求を下げながら妥協点を探る引き算の印象を持ちます。

折衷は、主張を抑えて受け入れられる頃合いを探る折り合い引き算ではなく、良いところを足したり掛けたりして、その中ほどにある納得しうる塩梅を探ることに意味があることを表しているのでしょう。

「折り合いをつけよう」あるいは「折衷案で行こう」と言う場面を思い返すと、主張が強くぶつかってどちらもが引かないとおさまりがつかない場合は前者を選んで、それぞれの考え方に良いところがあって長所を上手に活用することにより、新たな価値や策を見いだしたい時に後者を使ってるように思います。

黒い箱を開けて、濃い茶色に丸ごと覆われた細長い饅頭をつまんでみました。口元に運ぶとチョコレートの香り、齧ると餡子の風味が口に広がりました。

んん、これは折衷「餡」だ。

さ。

※雑感
米国の大統領選の行方を眺めていて、つくづく、どちらかに決めなければならない事案の難しさを感じます。ましてや、得票数だけに限ると両者とも、過去のどの大統領よりも多くの票を得ておりその数は7千万票を超えるている。なにしろ、フランスやイギリス、タイ等の一国の全人口を凌駕する規模です。勝ち負けをどちらか決めるというよりも、調和を旨とする折衷案式の方が、ぼくは好みだなあ。いや、折衷「餡」が一番かも。

EMIRPs Today(2020-11-02)#1594 GPSで一筆書き

おはようございます、さいとうです。

「まだ、乗船できますか」「はい、ここに自転車を置いてすぐに切符を買って」。
浜金谷のフェリー乗り場に着いたのは出航まで五分を切っていました。

東京に務めるようになって、一度、走って見たかった東京湾一周サイクリング。中学生一年生の時に、自転車雑誌に載っていた記事を読んでから機会があればと思っていたのですが、40年を経てやっと走ることができました。

当時とは、機材もガジェットも飛躍的に進化しています。ロードバイクは、20%近くも軽くなり今や8kgくらい、速度計も車輪につける機械式から、GPSを備えたサイクル・コンピュータとなり、カーナビのように地図上で、ルートを見ながら走ることができます。

さて、50代も半ばを過ぎて10代や20代の頃より体力が衰えているのは間違いないのですが、機材は相当に進化していますから、どちらが強く効くのだろう。

朝、夜明けとともに時計回りで出発。強めの風が吹いていたので、海岸沿いよりも一本内陸の道を選びました、日本橋から国道14号、国道16号を次いで、木更津、浜金谷。フェリーで渡って久里浜から横須賀、横浜、東京と辿る。

走っているうちに中坊のころの長距離ツーリングの走り方を想い出しました。くるくるくるくる、慌てずくるくる、踏まずにくるくる。木更津を過ぎると陽光が照り返す東京湾の水面がきらきら、元気を誘ってくれました。

一時間一本のフェリーの待ちもなくすんなりと乗り込むことができた幸運、16時過ぎには無事に帰宅できました。200キロ弱を10時間30分。まずまずというところでしょう。機材の進化は体力の減退を遥に凌駕したようでした。

さて、GPSで走行路の記録が取れているはずだ。
東京湾をぐるっと一筆書きしたログをみて、にんまり。

さ。

※雑感
「東京湾一周」と言いますが東京を走ったのは35キロほど、神奈川が50キロ、残りは千葉でした。湾口を護るのも久里浜と金谷で東京ではありません。それでもやはり「東京」湾なのですよね。
大阪都構想は、再び否決となりましたね。「都」となれたなら新たな記号性や価値が生まれるように思います。長らく固まっている都道府県も、DX社会に適した括りや連携を考える時期なのかもしれません。


EMIRPs Today(2020-10-30)#1572-1593 2020年10月配信分

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

栗、柿、キス。今月もいくつもの旬に出会えました。

外出を控えていたころから習慣になったのが、食料品の買物をもっぱら一人でこなすようになったことでしょうか。

何を作ろうかとか、これは新鮮そうだとか考えながら品を見定める。少しは食材の目利きが上達していれば良いのですがね。

このところ、業者向けの食料品店を覗くと品ぞろえが変化したよう。飲食店の営業が活発にもどり、直納流通が拡大したのでしょうか。

夏頃には、希少部位の上等そうな肉や瑞々しい走りの野菜や果物が「早く買ってちょうだい」と言わんばかりに店頭に並んでいましたが、そんな「めっけもの」が少なくなったように感じるのです。

経済が活気を取り戻すのは、良いことだな。
11月には、もっともっと多くのものが動き出すといいね。

キノコにギンナン、ジビエ、そうだボジョレーヌーボも解禁だ。
ああ、やっぱり食べ物に戻ってきてしまった。

さ。

2020.10.01 1572 今年の名月は遠くにありき
2020.10.02 1573 未来に残す環境

2020.10.05 1574 魚影を望む少年
2020.10.06 1575 大きな栗
2020.10.07 1576 桜の下の赤絨毯
2020.10.08 1577 少しデジタル風味
2020.10.09 1578 台風は何個

2020.10.12 1579 身に着けるスマート
2020.10.13 1580 一里の旨さ
2020.10.14 1581 ヤクルトの網
2020.10.15 1582 変わらぬ笑顔の先
2020.10.16 1583 鬼滅がちりばめられ

2020.10.19 1584 GoTo商店街
2020.10.20 1585 都会で一番広い森林公園
2020.10.21 1586 フォトジェな三日月
2020.10.22 1587 日比谷で映画祭
2020.10.23 1588 定期券は払い戻しの判断

2020.10.26 1589 渋も甘も、柿
2020.10.27 1590 商店街に人をイート
2020.10.28 1591 黒船と老婆と
2020.10.29 1592 14人に一本の街路樹
2020.10.30 1593 テレワで転出か

EMIRPs Today(2020-10-28)#1591 黒船と老婆と

おはようございます、さいとうです。

海までたどり着くと、砂浜はBBQをする人や竿を振る人が戯れていました。千葉にわたるフェリーが横切って行きました。

朝ご飯をしっかり食べてから家を出発したのですが、自転車で三時間も走り続けたのですっかりお腹が空きました。昼食前の空腹感ではなく、体内にあるエネルギーをすべて使い切って枯渇寸前のような感じでした。

以前から気になっていた「黒船食堂」という店に入ってみました。海岸道路に面して建つ小さな料理屋で隣接する釣具屋も黒船と名乗っていますから、きっと同じ経営者なのでしょう。隣がペリー公園であたりは黒船三昧。

引き戸を開けると飛び込んできたのは、昭和が溢れる定食屋でした。小さな卓に小さめの椅子、壁にはお品が縦書きで並び、カラーボックスには週刊の漫画雑誌が整えて並びんでいました。

さて何を食べようか、魚の定食が豊富、他にも丼物やそばうどんにラーメン、チャーハンやカレーライスまであります。嗚呼、定食屋だ。

鯵にしようか、イカ刺しもあるし、煮つけも旨そう、キスもあるようだ。そうか先ほどの釣り人たちはキスを狙っていたのだろう。そろそろ盛りも過ぎたころでしょうがまだいけるでしょう、ぼくには初物だ。

奥の方から揚げる油の弾むような泡音が聞こえてきました。

「キスフライです」、お約束の昭和の定食。大ぶりのキスフライが3つ、キャベツとマカロニサラダを添えてあり、ご飯は丼、小鉢に豆腐、味噌汁とぬか漬けが少々、四角い塗りのお盆に載ってやってきました。

さくっ。身の厚い、ふわふわのキスフライでした。

さ。

※雑感
お店は昭和5年(1930年)の創業だそうですから、90歳。お代を受け取った女将もすでに人生の後半に差し掛かっていました。小上がりに腰かけていたのが大女将だろう、店と同い年くらいのようだ。彼女にしてみたらスマホも黒船かもしれませんね。

EMIRPs Today(2020-10-22)#1587 日比谷で映画祭

おはようございます、さいとうです。

ビル群が囲う広場に設置された大きな銀幕で、映画が上映されていました。大写しされているのは、嗚呼、アラビアのロレンス。

ミッドタウン日比谷で「日比谷シネマフェスティバル2020」が始まりました。その企画のひとつで屋外で名作を上映するといいます。秋の青空に誘われてのぞいてきました。

日比谷は、演劇や映画など日本でも有数の芸術文化の発信地のひとつでしょう。その日比谷界隈のランドマークを担う東京ミッドタウン日比谷が、日比谷から始まる体験する映画祭と銘打ち「日比谷シネマフェスティバル2020」を開催。

日比谷映画劇場おかえりなさい上映会、トロント日本映画祭、東京国際映画祭日比谷会場、キネマ旬報表紙で振り返る映画女優展が企画されています。アラビアのロレンスは、おかえりなさい上映会プログラムの一つです。

日比谷映画劇場は1934年(昭和9年)に開業した1375席を誇る大劇場でした。世界中の名作を数多く上映し、日本に映画文化を根付かせた立役者でしたが、1984年に半世紀の歴史に幕を閉じました。伝説の映画館です。

おかえりなさい上映会では、同劇場の最終興行で上映された「ローマの休日」、「第三の男」、「アラビアのロレンス」、「美女と野獣」、「麗しのサブリナ」、「喝采」の6本がプログラムにのっていました。

さて、特設スクリーン前に40席だけ用意された特等席は、現代的な映画館の椅子でもなければ、イベント用の簡易椅子でもなく、ビーチで見かけるようなウッドチェアがゆっくりとリクライニングされて並んでいました。

観客がいないのなか。回り込んでみると、チェアに寝座りブランケットを身体いっぱいにかけてスクリーンをじっと見つめている方々で埋まっていました。かつて日比谷映画劇場で鑑賞されていた世代でしょうか、白髪の方もちらほら。

目頭を押さえているご婦人がいました。
埃が舞ったのだろうか、いやいや風など吹いていません。
ピーター・オトゥールが砂漠を走っていました。

さ。

※雑感
屋外で映画を観るのはとても贅沢ですね。大きな画面、広がる音響。スクリーンから少し離れた階段に腰かけて、しばらく様子を眺めました。週末にゆっくり観に行きたいと思いました。暖かくなればいいな。

EMIRPs Today(2020-10-21)#1586 フォトジェな三日月

おはようございます、さいとうです。

昨日の帰り道、まっすぐと続く目黒通の先に月が浮かんでいました。雲のない夜の三日月は、墨空にエッヂが立っていて美しい。

写真を撮りたいと思ったですがスマホでは厳しそうなので、目に焼きました。最近は写真を撮るのはiPhoneばかり。街や出先で出くわした気になる風景も、仕事のためのちょっとした記録も、スマホで済ませることが多いのです。

先日、とあるものを撮影しようと久しぶりにカメラ箱から一眼を出しました。数年前までアート・イベントを数多く撮影してきたNIKONの一眼です。重い。これに望遠レンズと電池パックも装着していたのですから、ずっしりでした。

ならばとSONYのミラーレスを引っ張り出してみました。古いカールッァイスのマニュアルレンズで撮りたくて手に入れた機材は、さすがミラーレスです。軽い。ただ、書斎の保管庫にレンズを置きっぱなしだ。

結局、FUJIの単焦点のコンデジで撮りました。まずまずの感じで撮れました。自然な陰翳や色彩を素直に切り取ってくれるこのカメラの画像は好みです。

さて、SONYから新しいフルサイズのミラーレス一眼カメラが発表されました。フルサイズというのはフィルム時代の35mmに相当する大きい画像素子を使うカメラのことで、このクラス世界最小、最軽量という。10月23日の発売です。

軽くて、フルサイズのカメラ。理想だな。
これならば、昨夜のようなフォトジェニックな三日月も撮れそうだ。

びっくり価格と睨めっこ。

さ。

※雑感
日頃、ネットにアップする分にはスマホで撮った方が早くて手軽です。撮影条件さえ合えば素晴らしい画像が撮れます。EMIRPsTodayは月に数本を抜粋し画像を添えてホームページにアップしています。全て自分で撮りためたものですが、過去2年くらいはほぼiPhoneで撮影しています。それでも、「ああ、あのレンズならこの瞬間をこの角度から撮れるなあ」、と思う時があるのですよね。

EMIRPs Today(2020-10-05)#1574 魚影を望む少年

おはようございます、さいとうです。

「ショータ、すごいぞすごい、釣れているぞ」。
海を見ながらお握りを食べていたら、喚起の叫びが聞こえてきました。

声の方を向くと竿の先に、15センチほどの魚が釣り上げられたところでした。二人連れの釣り人、親子だろうか、釣果に思わず大きな声が出たのでしょう。破顔する男性、隣の少年は目を丸くして竿をぎゅっと握りしめていました。

しばらくすると、少年は次の竿を投げ入れました。「みてみて、たくさんいる」、今度は少年の声が響きました。

内海特有の静かな水面の下では、左から右へと黒い流れができていました。よく観ると、小魚の大群でした。あるものは捻りながら銀の腹を見せているし、またあるものはぴょんと跳ねて波紋を刻んでしました。

先ほど少年が釣り上げていたのは、この魚群の中の一匹だったのでしょう。戯れを追いかけました。固まって泳ぐ大群は一向に終わる気配がありません。1メートル半ほどの群れは30メートルは続いていたようでした。

半袖半ズボン姿の白髪の紳士が、柵のすぐ手前に立って覗き込んでいました。「あら、ボラだな」、ぼそっと呟くと湾口の方に向かって散歩に戻りました。

「よし、氷を買ってこよう」。
今夜の食卓に並ぶのでしょうか、少年はくしゃくしゃ笑顔で振り返りました。男性は竿を垂らすと、少年を引き連れて近くのコンビニに走っていきました。

どうやって調理するのだろう。遠い魚影も見えるほどに水も澄んでいるのですから、このあたりの小魚は匂いはきつくないのかもしれません。

ぐるっと回ってきたのか、再び大群が目の前を横切っていきました。たくさん釣れるといいね、休憩を終えて帰路につきました。

さ。

※雑感
長閑な週末の朝。親子よりは少し距離のありそうな様子の男性と少年。早起きして取り組む磯釣りを通じて、お互いの理解を進めているようでした。

今日は「レジ袋ゼロデー」だそうです。以前、岸から海を覗くとレジ袋が浮いていて興ざめすることが多かったのですが、最近は随分と減ったよう。袋が有料か無料かではなく、ごみを散らかさないことが大切だと思いました。

EMIRPs Today(2020-09-30)#1552-1571 2020年09月配信分

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

すっかり秋らしくなりました、今朝はひんやりと肌寒いほどでした。朝食を食べながら空を覗くと、みごとな蒼天が広がっていました。

よし、ひさしぶりにジテツウしよう。自転車通勤。少し寒いかな、いやいや動くとすぐに熱が溢れるので上は半袖だ。オフィスまでだからクッションは要らない、下はジーンズでいいや。

PCと手帳、万年筆をデイバッグに移し替えて、空いてる隙間にオフィスで着替えるためのワイシャツと肌着を突っ込みました。ヘルメットをかぶり、朝陽を遮るサングラスをかけていざ出発。

目黒通に出てみると、何台もの自転車が上り方面へと通りすぎました。

バリバリのロードバイクにレーシングパンツ姿でかっ飛ばす若者、長い髪をなびかせながらマウンテンバイクを颯爽と漕ぐ女性、電動ママチャリのカゴに黒革の集金鞄を積んでいるスーツ姿の男性。

嗚呼、社会が動いている。

一様に、都心に向いて走っていました。
ぼくも、流れに乗って走りました。

さ。

2020.09.01 1552 レジャー園の立地
2020.09.02 1553 Go To 556万人
2020.09.03 1554 ひみつ道具
2020.09.04 1555 エンドロール

2020.09.07 1556 多摩川梨
2020.09.08 1557 マイナ更新と顔認証
2020.09.09 1558 言葉の処世術
2020.09.10 1559 朝食ブランドの行方
2020.09.11 1560 気候も縛りも穏やかに

2020.09.14 1561 ピレネー
2020.09.15 1562 ツール・ド・9月
2020.09.16 1563 マイカーも走る広告塔
2020.09.17 1564 本稿の舞台裏
2020.09.18 1565 遠のく秋刀魚

2020.09.23 1566 今年は秋に啓蟄
2020.09.24 1567 おくろじ
2020.09.25 1568 2035年にゼロ

2020.09.28 1569 髭の伸びる速さ
2020.09.29 1570 にやり
2020.09.30 1571 クレーン

EMIRPs Today(2020-09-29)#1570 にやり

おはようございます、さいとうです。

先般お願いしてあったアート作品が届きました。
早速、開梱です。会議室の一番のお気に入りの場所に飾りました。

緊張が長く続いたり根を詰めたりした時には誰しも息抜きをすると思います。ぼくの場合は、外に出て新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んでみたり、事務所のあたりをぐるっと歩いてみるのが定番です。

ところが、身体的な息抜きはそれで叶うのですが、心を解きほぐすためには、もう少し違う角度の刺激が必要。美味しいお菓子を口にしたり、楽曲に限らず好きな音を聞いたりすると、じんわりと緩んでくるのがわかります。

そんな「心の解き(ほどき)方」の奥義のひとつが、アート鑑賞。

事象や状況を整理し構造化して計画を企てることや作戦を可視化や明文化することに埋没していると、どうしても、考え方や思考を相手に理解し易いようにすべく、共有化に適した表現手段に軸足が寄りがちです。

パワーポイントには多くの構造化チャートが準備され、エクセルやBIツールを使えば、計数の整理やグラフ作成も短時間で済ませることができるのですがどこか似通った表現ばかりになるもの。

そんな時に、先陣を走るアーティストの作品に触れるとドキッとするのです。既定の枠組みなんて気にすることなく、閃きや思考あるいは感情が端的に形や色、空間に表され、心の奥のツボ部屋にズカズカと入ってくるのです。

じっと作品を見つめていると知らず知らずのうちに頭の凝り固まりが和らぎ、思わず「にやり」としているのです。

さ。

※作家/作品
金丸遥/スチェラの散歩

EMIRPs Today(2020-09-24)#1567 おくろじ


おはようございます、さいとうです。

知らない綴りだなあ、英語ではないのだろうか、okuroji。声に出して読んでみて日本語だと気が付きました、「奥路地」。

先日、9月10日の日比谷の高架下が改装されて小洒落た商店街が開かれました。日比谷・銀座の奥にあることから、そこを日比谷OKUROJIと命名されたそう。「ひそむ、ひそむ、おとなのたのしさ」をうたっています。

仕掛けたのはジェイアール東日本都市開発、JR山手線でいうと新橋と有楽町の間の高架のあたりの約300メートルが活用されていました。

銀座側には以前から飲食店がずらっと並んでいますし、日比谷側にも店がありましたが、日比谷OKUROJIでは高架の真下にありました。近隣の路面よりも、半階層ほど低いところに通路が設えられており、店舗が軒を連ねます。

同社によると、この高架は明治時代の1910年から供用されており、100年超の歴史があるといいます。通路の両側には煉瓦造りのアーチを見て楽しめるようになっていました。

「路地」と呼ぶには少し広い通り抜けですが、少し地下に潜り、太陽光が遮られることにより、秘密の隠れ家にいるような感じになるから不思議です。

十代の頃に街遊びに流れで先斗町あたりの路地に足を踏み入れた時に感じた、あの大人にだけ許された場所のような雰囲気が漂っており、初めてみる光景なのにどこかに懐かしさを覚えました。

ああそうか、だから「奥路地」なのかと妙に納得。

さ。

※雑感
以前の時間貸駐車場だったころとは、見違える様子でした。奥まった穴倉的な立地ですから、集客には企ても必要でしょうが、こういう明治期の街の活用も悪くないと思いました。

EMIRPs Today(2020-09-23)#1566 今年は秋に啓蟄


おはようございます、さいとうです。

肌寒いほどの朝の空気、身体が軽く感じるようになりました。週末の連休に、少しずつ秋を狩りに動いてみました。

芸術の秋。
青山で開催されていた芸術家集団C-DEPOTの展示を見に行きました。世の中の動きにビビッドに波長を絡めることができるアーティストは、この時代に何を創るのだろか。溜めた確信が溢れんばかりの作品の数々。

行楽の秋。
連休の最終日、夜明けとともに青空が広がっていました。よし、朝活ポタリングだ。横浜から鎌倉街道を南下して鶴岡八幡宮へ。そのまま、逗子、葉山から横須賀に山越え、16号線を北上してお昼には帰り着きました。いい汗。

文化の秋。
お彼岸でした。京都への墓参りはもう少し落ち着いてからにすることを母に連絡をいれました。まあ、それでええわ、いつものように簡単な返事。そうだ。自由が丘に行って、おはぎを買ってきて食べました。

スポーツの秋。
3週間にわたって繰り広げられたツール・ド・フランス、20日にパリ凱旋門にてゴールしました。9月に開催、無観客のゴールという異例の運営。優勝したのは弱冠21歳のスロベニアの若者でした。新星の誕生に湧きました。

食欲の秋。
不定期に開催している尾山台グルメの会。年初から流れていたので、ひさしぶりに集まりました。ビストロの奥にある離れた席をとってもらいました。世代も異なる男女3人、ただ「食いしん坊」がつなぐ会。ほっこり。

連休に全国の観光地が賑わったと報じられました。
2020年に限っていうと、秋に啓蟄がやってきたよう。

さ。

※雑感
少しずつ動いてみたものの、まだまだ気を遣います。
マスクや手洗いはもちろん、できる限り独りで動くように心掛けています。

びっくりするのは報道で見聞きする以上に、街に人が溢れていたこと。自由が丘はまっすぐ歩くと肩があたるほどの人がみられ、九品仏の新しいパン屋さんは店頭では立ち切れず、道路を挟んで20人くらいが並んでいました。鎌倉で朝ごはんでも食べようかと思ったのですが、評判の店の前には違わずびっしりと順番待ちの列ができていましたし、葉山のパン屋は満車でした。帰りに通り抜けた横浜では、大通りの花壇の枠に観光客が肩を寄せて座っていました。

もう、嵐は過ぎ去ったかのよう。
秋に啓蟄。再び土に潜ることのないように気を使いたいものです。

EMIRPs Today(2020-09-09)#1558 言葉の処世術

おはようございます、さいとうです。

今日は、2020.09.09。嗚呼、数字が楽しそうだ。硬い紙切符の頃ならば、近くの駅に入場券を買いに行った字並びだ。

数字は、0、1の二進数や時間が12進数で桁上がりするなど使い方が異なることがあっても、各々の数が持つ意味や位置づけが大きく変わることはない。

ところが言葉は常に時代環境に応じて変態を繰り返しながら、適当な意味や解釈が与えられて、新たな性質が見出されていくように思います。それを、心地よいとか当たり前だと感じるかは、世代や環境によっても異なるでしょう。

例えば、拡大解釈されて新たなポジションを作りつつある「絶賛」の反乱、いや氾濫も、いつどのように始まったのか知る由もないし、しっくりこない。

依頼した業務がいつまで待っても上がってこないので、後工程の調整のために何時ごろ上がりそうか予定を尋ねた際に、満面の笑みで「絶賛、作業中です」なんて答えられると、一体全体どうしたものかと思ってしまうのです。

先日、ラジオ・パーソナリティの他愛もない会話が続く中で、ふと「されてください」と聞こえました。「なさってください」と言いたかったのだろうか、それとも「されてください」に新たな意味があるのだろうか。はたまた地域による言い回しなのだろうか。

ああ、言葉は生き物だ。時代の変化もなんのそのしぶとく続くのですからね。

自分事を振り返ると、新常態にも上手に適応すべきなのだろうなあ。
絶賛適応中。あれ?

さ。

EMIRPs Today(2020-09-07)#1556 多摩川梨


おはようございます、さいとうです。

多摩川を上流に向けて、二子橋を過ぎ、東名高速をくぐってしばらく進むと、梨の栽培が盛んな地域になります。多摩川梨の産地です。

JR南武線の矢野口駅あたりを目印にすると、北西の稲城市、南側に川崎市、北側に日野市あたりで、多摩川梨は作られています。多摩川梨は、梨の品種ではなく当該地域で生まれる梨の総称で、東京都と神奈川県に跨っています。

土曜日の朝、ポタリングがてら梨を探しに行ってみました。

多摩川と並走する府中街道を北に向かうと世田谷通りを超えたあたりから梨の木が見え始め、矢野口から西に鶴川街道に入ると両側に梨園が広がります。8月から9月にかけて、この季節だけプレハブ造の直売所が開きます。

小屋の中では採れたての梨が並んでいました。

販売所によって並ぶ梨が異なりました。幸水、豊水が並んでいました。二十世紀やめずらしい秋月もありました。大玉の稲城はもう旬が過ぎたようでしたが、もうすぐ晩成梨の新高が採れ始めるそうです。

さて、いくつか見て回り、大通りに面した農園では大きな玉の秋月をもらい、梨園を抜ける農道の小屋では二十世紀梨をいただきました。全部で十数玉。梨は水分が多いので、見た目よりもずっしり。

早く食べたい、帰り道。9月に入ったというのに日差しはまだ強く、気温もぐんぐんあがってきました。噴き出る汗を拭いつつ、どっちから食べようかなんて考えていたら昼前には家に辿り着きました。

もちろん食後の楽しみは、多摩川梨。
しゃく、しゃく。甘い果汁が口いっぱいに広がりました。

さ。