EMIRPs Today(2019-11-29)#1352-1371 2019年11月配信分

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

ボンソワール、マダム、慣れないフランス語でご挨拶。
ボンソワール、ムッシュ、笑顔とともに返してももらいました。

11月は、新しいワインとの出会いに恵まれました。秘蔵のドイツワインには舞い上がった余韻がまだ冷めやらぬ頃、今度は南フランスの銘醸シャトーの晩餐会に顔を出す機会がありました。

会には、シャトーのマダムが駆けつけて参加されていました。ラングドック地方に400年続く名家が、ワインを造り続けているそう。何しろ、ベルサイユ宮殿と同じ建築家が手がけたというシャトーは、フランスでも有数のお城の一つと聞きます。

白、白、赤、赤。
順番に供されるワインは、いずれも葡萄や風土を感じる豊かさで、飲み進むにつれ次第に葡萄畑の中を散歩しているかのような気分に包まれてきました。

圧巻は、五大シャトーで醸造担当を手掛けた名手が造ったワイン。もう周りのテーブルや隣の人などまったく見えません。ぼくはラングドック地方に居ました。

この企画を仕掛けたのは、ワイン界ではよく知られた女性社長Yさん。マダムと彼女の長年の信頼と友情により生まれた、最高の夜でした。
ありがとうございました。

さ。

20191101 1352 棒に当たる日

20191105 1353 「オビシャ」って何
20191106 1354 画像と写真
20191107 1355 35年前からドイツワイン
20191108 1356 東京ナイトクルーズ

20191111 1357 悠々と奏でるサロン
20191112 1358 洋装が定まった日
20191113 1359 あれは蚊か、衛星か
20191114 1360 MICEの期待効果
20191115 1361 河岸と神様

20191118 1362 肉の物語
20191119 1363 さらばがくすぐったい
20191120 1364 葡萄酒の魔法
20191121 1365 行くと帰る
20191122 1366 小雪の楽しみ

20191125 1367 音が伝えるもの
20191126 1368 ティファニーもついに
20191127 1369 少し高く少し広い舞台
20191128 1370 神楽坂でマス目
20191129 1371 ルートヴィヒ

EMIRPs Today(2019-11-27)#1369 少し高く少し広い舞台

おはようございます、さいとうです。

京都ってこんな広いんだっけ、思わず息がもれました。
清水の舞台より大きい展望台からは、京の盆地が両手一杯に拡がりました。

一市民でも、眺望を俯瞰するその瞬間は見渡す限りを独り占めできますから、まるで天下を取ったかのように気分が上がるから不思議なものです。それ故、各地にある展望台は観光の目玉として人気が続くのでしょう。

何年か前に、京都東山にある将軍塚に大きな展望舞台が出来たと聞きました。頂上の駐車場近くには展望台があり、京都観光地の一望も、碁盤の目の夜景もできる人気の場所。そこにさらに展望台と聞き、おやなぜと思っていました。

少し時間があったので立寄ってみることにしました。かつて良く通っていた走り慣れたくねくね道を運転し数分で頂上に到着しました。頂上駐車場の右手の奥、青蓮院が建立した青龍殿にその舞台は造らていました。

青龍殿は、北野天満宮前にあった百年前の建物を移築されたものだそう。拝観料を払い建物の横から表に回り込むと木造の舞台が広がっていました。

右手には比叡山がそびえ、その手前には送り火の大文字が、その左横には、下鴨神社の糺の森(ただすのもり)、正面には京都御所の木々が隆々と繁り、そこから南側に河原町の繁華街や京都タワー、京都駅が見えました。

かの「清水の舞台(きよみずのぶたい)」と比較すると次のよう。標高は、清水の舞台が120メートルほどに対して将軍塚は216メートルの高さ、舞台の面積は、清水の舞台が190平米に対して将軍塚は1,046平米で5倍近くあります。

清水の舞台からは、直線距離にすると1キロも離れていない、この舞台。
少し高く、少し広い舞台で、圧倒的に「天下を取った」気分になれました。

さ。

※雑感
将軍塚は、京都に平安京が遷都された時に、将軍の像を造営したことに由来するそうですから1200年超も続く場。京都の栄華や動乱をずっと見下ろしていた場だと思うと、感慨深いものがありました。
自分が大舞台から観ているのは、その歴史のほんの一瞬ですから。

EMIRPs Today(2019-11-18)#1362 肉の物語

おはようございます、さいとうです。

それでは、お肉をお持ちいたします。店員が奥に引っ込んでいきました。彼は、まだ一晩でも二晩でも寝なくてもへっちゃらな年頃なんろうなあ。

近江地方で美味しいお肉を提供されるお店があると以前から耳にしていました。全国各地の肉料理にこだわるシェフが、その精肉店から仕入れているそう。関西に所用があったので、少し足を伸ばして立寄ってみることにしました。

琵琶湖は地図でみると日本最大の湖なのだとよくわかりますが、実際に訪れてみると建物がない湖面をどこまで空が覆っていることに一層驚きます。

琵琶湖を背にして緩斜面を上る坂の途中に、平屋建てのお店がありました。どうやら、左手にある大きな木の扉がレストランのようです。「本日は予約で満席です」と案内が掲げられていました。

開業時間に予約をいれておいたのですが、席に案内された直後から続くお客で早々にすべて席が埋まり、予約がない客は踵を返すことになりました。街中でもなく郊外の駅からも距離のある立地でのこと、よほど人気があるのでしょう。

さて、彼がワゴンを押して戻ってきました。上段にはラグビーボールほどもありそうな塊がゴロっと3つ載り、下段にはタンと骨付きの豚肉がありました。「こちらのランプは近江牛のランプです、こちらが近江牛のサーロイン、この右手のものは熟成させたものです」、彼が話し始めました。

それぞれについて産地や部位だけでなく、育てられた背景や状態、特徴から食し方に至るまで肉の物語を丁寧に教えてくれました。まるで初日を迎えた舞台の挨拶を聞いているようでした。

ゆったりとした時間の中で、風土が育てる食を愛でているのだなあ。
肉の輝きが増したように感じました。

さ。

EMIRPs Today(2019-11-11)#1357 悠々と奏でるサロン

おはようございます、さいとうです。

これはどう、旧知の方からお誘いいただいたのはクラシックのコンサート。仕事の段取りに手間取ってしまい、行きたいとお伝え出来たのが直前でした。

案内に記された住所は、自宅から歩いてもほんの数分のところのようでした。何度も通ったことがあるのですが演奏を聴くような場所は思い当たりません。

住宅街の路地にひっそりと会場がありました、並ぶ民家のひとつでした。小さい前庭を抜けると、そこにはグランド・ピアノが並ぶ部屋がありました。十数席の小さなサロン、先客は既にワインを飲みながら談笑されていました。

今夕の演奏会は、チェロとピアノのアンサンブルです。国内外で活躍されているドレス姿のお二人が、するりと入室されてきました。幾度目の方も聴きに来られているよう、親しみの笑みで迎えられていました。

歓迎の挨拶ののち、サロン会の目論見や予定する演目がご紹介されました。作曲家のあらましに続いて、曲が作られたときの作者の人生や交友関係、その頃の時代背景等を分かりやすく解き明かしていただきました。サロン部屋がまるっとその創作された時代にタイムトラベルに旅するようでした。

さて、サロン号は当時のどこかに着いたよう、最初の曲が始まりました。衣擦れも聴こえるほどの目と鼻の先で、二人の演奏が絡みました。チェロの弦の調べにのって、ピアノが作曲家の想いを語っているようでした。

ああ、室内楽は元来このように楽しみ育まれてきた文化なのだろうな。
遠い時代の異国の地に、想いを馳せた夜でした。

さ。

EMIRPs Today(2019-11-08)#1356 東京ナイトクルーズ

おはようございます、さいとうです。

今日は、立冬。
空が高くいっぱいに澄み渡る朝が、日に日に増えてきました。

冬が近づく東京湾を、小型プレジャーボートに乗ってナイトクルーズしよう。小型船舶の免許を持っているわけではないので、操船はおまかせです。「私が本日の運転手を務めます」、鯔背なあいさつに気分があがりました。

都心近くにマリーナはいつくもありますが、東京都心から最も近いものは、勝どきでしょう。大江戸線の駅からも歩いていけるマリーナは、中高層のマンションが立ち並ぶ住宅街の一画にありました。

道路側から前を通っただけでは町のカフェかなと思うような店構えですが、コーヒー客を横目にカウンター沿いを奥に進むと、運河が現れました。

風速が11メートルあったが今は治まったこと、風は南から吹いているので湾口に向かう往路は少し揺れる見込みだが、帰路は追い風になるので快適であろうことを教えてもらいました。風速11メートルですから、時速に換算すると約40キロということ、原付バイクを追い越す風だ。

大手町界隈を車で通ると高層ビルが両側に迫り来ていわゆる都会を感じますが東京湾に抜けるまでの運河では、ビル群の攻撃的なギラギラ白明りではなく暖かい黄色が灯されたマンションの居間が積み並んでいました。もう、団欒が始まる時刻だろうか、運河特有の穏やかな水面をつるつると進みました。

解体の進む築地を越えると、360度のどちらの方角にも視界が広がりました。あれは日本橋のあたりか、こっちは汐留、新橋、東京タワーも見えている。レインボーブリッジが夜空に滑走路を描き、お台場が宇宙船のように浮かぶ。

水面からほんの数十センチのところに据える低い目線は、小型艇の独壇場。夜の海が視界の手前にあるものをすべて漆黒に塗りつぶしてくれているので、都会の煌めきをより一層、際立たせるのかもしれない。

ああ、海から眺望する東京の夜景はなんて美しいのだろう。

「来月は、あの辺りで花火を観られます」。
そうなのか、夜景と花火を一緒に楽しめるなんて。
大気が澄み渡る季節の東京ナイトクルーズ。魅力は計り知れません。

さ。

EMIRPs Today(2019-11-07)#1355 35年前からドイツワイン

おはようございます、さいとうです。

「朝から、14本のワインを開けてデキャンタしました」。
35年にわたりドイツ・ワインに特化した輸入を手掛けている当主の挨拶でした。

子供の頃、お土産でいただいた変わったガラス瓶のお酒がありました。前から見るとぷっくりと丸いのに、前後に平たい不思議な形をしていました。「ドイツのお酒だそう」と母から教えてもらいました。下戸の彼女にとり、洋酒はウイスキーも、ブランデーも、ワインでもお酒だったのでしょう。

それが葡萄酒でドイツの南の方で造られたものだと知ったのは、随分と経ってからだったように思います。同じころに子供用にといただいたお土産は、筆箱に入る小さな鉛筆削りで、丁寧に包装された替え刃が数枚ついていました。ミュンヘン・オリンピックの話をしたので、1972年前後かもしれません。

大人になってワインを飲むようになってからも、ドイツ産のワインを口にする機会は少なく、ちょっと壁がありました。細長いボトルに詰められたリースリングは葡萄の香りが好みですが、レストランにもあまり見かけませんでした。

ある時、当主が見立てたドイツワインを飲ませてもらいました。和食とドイツワインはよく合うのですと事前に当主からお聞きしていました。一皿一皿、料理とともに供される白も、赤も、絶妙のマリアージュでした。すごいなあ。ドイツワインに対する壁が崩れました。

さて、デキャンタするほど寝かせたワインですから、数十年のビンテージ。「しっかりと味も診て、オリもありませんので、安心してご堪能ください」ドイツワイン発展への貢献を評価され叙勲された程の当主、自信が溢れます。

グラスを持ち上げて色加減を愛でてから、ゆっくりと口に含みました。
数十年の栄華や歴史がぎゅぅと凝縮された、奥深い葡萄酒でした。

さ。

※雑感
35年前というと1980年代も半ばのこと。プラザ合意が1985年です。ベルリンにはまだ壁があり、インターネットもなければ、スマホもない頃。アップル社がマッキントッシュを発売したころです。その頃から上質なドイツワインにこだわって目利きをし、輸入してこられた当主の情熱には脱帽します。敬服。

※ドイツワインの変わった形のボトル
ドイツ・フランケン地方のボトルの特徴的な形でボックスボイテルと言う。

EMIRPs Today(2019-10-31)#1331-1351 2019年10月配信分

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

#今朝、首里城が燃えているとの報を聞き胸が痛みます。
#早く治まり、再建されることを願うばかりです。

昨日、とあるサービスが開始されました。祝。

嗚呼、おめでたい。
隣駅までちょこっと足を伸ばして、鯛を31匹ほど釣り上げました。

出向いたのは、麻布十番にある有名な鯛焼き屋さんです。
すでに十匹ずつを箱に納められて包装紙で包まれていました。

「おめでとうございます」、箱をあけてみんなで食べました。

釣りあげたばかりの鯛たちは、お腹のあたりからじんわりと温かい。
甘すぎず塩が効いた餡子に薄い皮を纏った鯛を、夢中に頬張りました。

「およげたいやきくん」って、いつのことだっけ?1975年のことのよう。
そんなこと知らなくても、笑顔を誘う魔法の一匹。

さ。

20191001 1331 コーヒーは何パーセント
20191002 1332 飛散は低く、雲は高く
20191003 1333 名残りの露草
20191004 1334 法案一つ4.5日

20191007 1335 東京最大の牧場ジェラート
20191008 1336 初冬を選ぶ想い
20191009 1337 スマートな国際会議
20191010 1338 未だに「体育の日」
20191011 1339 曼殊沙華

20191015 1340 棚は空っぽ
20191016 1341 次代の動物園って
20191017 1342 楕円球の訪日効能
20191018 1343 プロ野球の指名と使命

20191021 1344 恩赦が映すもの

20191023 1345 永く続くことを思う
20191024 1346 渋谷区、仮装群に挑む
20191025 1347 ダイヤはどこに

20191028 1348 横浜市電保存館
20191029 1349 プチ・モビリティ
20191030 1350 ブログも国会図書館
20191031 1351 オリジンとなる国

 

EMIRPs Today(2019-10-28)#1348 横浜市電保存館

おはようございます、さいとうです。

前を通るたびに何だろうと気になっていた「横浜市電保存館」。路面電車ではなく市電、博物館でもなく保存館、しかも大通側に入口はない。

朝活ポタリングの帰路に、ちょうど開館時間を過ぎた頃合いだったので、立寄ってみることにしました。国道16号、磯子にある掘割川沿いにあります。入口は反対側と示された案内に従い一区画分をぐるっと周りこみました。

入館料をは大人300円。「お一人ですか」、係の女性に尋ねられます。「ええ」、どう見ても一人だがと思いながらも返事をしたのですが、周りをみると来館客は小さな子供連れの家族ばかりでした。

細長い建物には何両もの市電が横に並んでいました。路面電車ですから一両編成です、路線バスよりも一回り小さいくらいの大きさでしょう。少し丸くて、窓枠とか、案内看板とか、昨今の工業デザインでは考えられないような車体の表面がデコボコしているのがなんともノスタルジックです。

いざ、車内に上がってみると20世紀初頭に設計された大きさだと実感します。全体にかなりコンパクトに造られていることがわかります。運転席もカフェのカウンターほどしかないくらいで、体格のよい運転手はさぞ困られただろうなあと思うほどの空間でした。

世代順に乗り込んで時代の設計を知り、また、外から眺めて少しずつ意匠が変わる様子を楽しみました。鉄道模型OゲージやHOゲージのコレクションも展示され、ジオラマを組まれたレイアウトでは子供たちが電車を走らせていました。

足元をみてびっくり、レールの間隔が広いのです。路面電車の小さな車両なのでてっきりJRや多くの私鉄で採用されている1,067mm軌間だと思っていたのですが、横浜市電の線路幅は1,372mmを採用していたそう。

市街地を、とことこと走る路面電車が好きです。日本国内には、広島や松山等で現在でも20近くの路面電車があるそう。一番最近乗ったのは、熊本でした。ぼちぼち、乗りに行ってみたいと思いました。

さ。

※雑感
山手線の線路を覗くと、ああレール幅が狭いなあといつも思うのです。これでよくあんなに多くの人を載せて運行できるのだと関心します。新幹線や京急、阪急などで採用されている標準軌は、1,435mmですからね。一方、都心では都電荒川線や東急世田谷線は、軌間が1,372mmです。
小柄な車両には、広いレールが担うのかもしれません。

※横浜市電保存館ホームページ
http://www.shiden.yokohama/

EMIRPs Today(2019-10-11)#1339 曼殊沙華

おはようございます、さいとうです。

同僚から「出身はハンノウです」と聞いたのは社会人に成りたてのころでした。恥ずかしなが初耳の地名で、どの県、いや海外か、なんて思ったのでした。

飯能の先に、曼殊沙華の群生地があると教えられ行ってみることにしました。地図を眺めると、多摩川沿いに遡上し福生のあたりを北に向かうと着きそう。道を引いてみると60キロ、往復120キロですから昼過ぎには戻れる算段です。

曼殊沙華は、彼岸花とも呼ばれ、秋分の日あたりに咲くことで知られます。群生地は飯能駅から北に数キロの隣町、日高市の巾着田というところです。川がうねり形成された河原が囲む丸い平地が巾着のような形をしているため巾着田と呼ばれるようになったのだそう。

いつしか流れ着いた曼殊沙華が花を咲かせるようになり、その後地元の方が整備を進められ、今では500万本が咲くようになりました。

夜明けとともに出発し、とことこ走ること3時間、8時半頃に到着しました。今季の公開催事の最終日であり、すでに最盛期を過ぎているはずなのですが、それでも一面に真っ赤な絨毯が敷かれたようで、妖しく揺れていました。

曼殊沙華はサンスクリット語の「マンジュシャカ」で赤いことを表すそう。仏教では天界の花とされます。曼殊沙華には毒がありますが水に晒すとその毒は抜けるため、良質な澱粉をもつ球根は飢饉を救う貴重な食材でもある。

開花時期には葉をつけていない草花です。しゅっと立ち上がる細い茎の先に、打上花火が弾けたように赤く細い花びらを拡げる。花を咲かせる自らの使命に真っ直ぐで迷いないその姿勢に、本質を大切にするべきだと教えられました。

それにしても、せっかくの飯能は通り過ぎただけでした。どうも遠い町です。来年は曼殊沙華の最盛期に来てみよう、飯能も散策することにしよう。

さ。

※雑感
さて、台風19号が近づいてきていますね。交通関係の計画運休も発表されています。お仕事の方も、お休みのかたも、安全にお過ごしくださいませ。

EMIRPs Today(2019-10-07)#1335 東京最大の牧場ジェラート

おはようございます、さいとうです。

「ダブル、カップで」、夏を思い出すような週末の暑さ。立寄ったのはジェラート屋さん、奥には牛舎が見えていました。

最近、美味しいジェラートが増えたように思います。知人が紹介してくれたふなばしアンデルセン公園のジェラートは好みだし、聖蹟桜ヶ丘の近くのジェラート店も、近くに行ったらつい立寄ります。

週末に食べたのは、西多摩郡瑞穂町にあるジェラート屋さんでした。昨年開業したそうで、外観もひと目でわかるまだまだ真新しい設え、店内に十数席、屋外の席を合わせるとその倍以上の人は座れそうです。お客さんがひっきりなしにやってくるので、注文は行列になっていました。

牛舎が見えているのに、いわゆる酪農っぽい匂いがしないのは不思議でした。建屋があるだけで乳牛は別のところで飼育されているのかなと思ったのですが「そこに、120頭ほどいますよ」と店の方が教えてくれました。

創業70年を超えるその牧場の120頭の規模は、東京で最大。牛乳パックの側面に縦書きで「東京牛乳」と記して出荷されている産地ブランドを支える生産者のひとつ。生乳は、24時間稼働する搾乳ロボにより自動化されて搾られるそう。

カップを受取りました。外の席で風にあたりながらいただくことにしました。おすすめの苺ミルクは、新鮮な生乳がもつ特有の甘さが爽やかでした。

牛舎の奥には、奥多摩や秩父の山並みがすぐ近くに見えました。
そよ風に載ってきたのは、秋草の香りでした。

さ。

※雑感
自転車で走っていると、農業や酪農、漁業などの匂いを直に感じます。
その土地が何年培ってきた土や草木の香りも混ざっているのかもしれません。
匂いで地域を感じることも、楽しみの一つです。
ジェラートカップがなんとも愛らしい様子でした。

EMIRPs Today(2019-10-03)#1333 名残りの露草

おはようございます、さいとうです。

高圧水を使って玄関周りの掃除をしました。あの黄色いマシンは強力です。剃刀で髭を剃り落とすようにするすると、積年の染みや汚れが飛んでいきました。

玄関脇にある室外設備保守用の小石敷に、露草(ツユクサ)が咲いていました。もう十月、気温も下がり始めたのですからきっと今季の最後の花なのでしょう。青紫色の対の花びらの先に黄色と白の蕊(しべ)をもつ、一日限りの可憐な花。

人差し指の爪ほどの大きさの花ですから、普段は遠目で眺める程度ですが、あらためて近くで見ると、特徴的な形状をしていることがわかります。

花びらは全部で3枚、花のイメージを特徴づけているのは大きい2枚です。青紫色で上部にありミッキーの耳のように対で開く花びらがそれです。もう一枚、別に白く小さい花びら一枚が下方に寄り添います。

蕊(しべ)は、7個もあります。雄しべが6個に、雌しべが1個。花の中央に位置し黄色い花粉を携える4本が雄しべかと思っていましたが、アルプホルンのように下に長く伸びる2本も雄しべだそう。雌しべは小さくて見えにくい。

万葉集にも詠われ、古来から親しまれる一年草。その一日限りの花の様子から人生の機微や恋心と重ね合わせて親しまれたのでしょう。

その露草の花言葉は、「変わらぬ思い」。梅や桜のように艶やかに咲くわけでもなく、菖蒲や蓮、菊のように派手な容姿でもないけれど、毎年毎年、必ず同じように可憐な姿をみせてくるのです。

この露草も、また来年、ここに姿を見せてくれることでしょう。
嗚呼、露草のような生き方も良いものだと思うのです。

さ。

EMIRPs Today(2019-09-30)#1312-1330 2019年9月配信分

EMIRPs Todayに毎朝おつき合いをいただき、誠にありがとうございます。

時おり登場する自転車は、再開してから彼是、二年半がたちました。とことことマイペースで乗り始めて、30数年のブランクを楽しんでいます。

十代の頃に乗っていたロードレーサーは、10キロ弱の重さでした。それでも、クロモリ鋼のフレームはママチャリよりも随分と軽いものでした。30年の間に、素材は鉄からカーボン主流となり現在の愛車は8キロほどです。わずか2キロほどですが20%近くも軽くなると、手で持ってもわかります。

ところが皮肉なもので、この35年の間に、体重は当時よりも30%近くも増えていたのでした。

さて、二年半の体当たり実験の結果はどうなったのか。

全身にくまなく付いてた30%近い増量分はとれたようでした。そんな余計なものは、大半がお腹周りばかりかと思っていたのですが、靴も手袋もぶかぶかになり、ヘルメットも二サイズ小さくなりました。まるで、着ぐるみを脱いだような感じです。

stravaという自転車やランのSNSを眺めていて気が付きました。目黒通に山手通りから目黒駅に向かう権之助坂という上りがあるのですが、再開した二年半前の半分くらいの時間で登れるようになっていました。

身軽になることは大切なようです。

さ。

20190902 1312 QOLの基盤は頭上に
20190903 1313 秋サンマ、常はドンキ
20190904 1314 駅弁が古典になる日
20190905 1315 現金は安いか高いか
20190906 1316 試飲会の季節

20190909 1317 台風にも勝る葉
20190910 1318 パールの輝きを知る
20190911 1319 リーダーの使命
20190912 1320 サンマの気持ち
20190913 1321 月に照らされたい

20190917 1322 いくつになっても
20190918 1323 そのままドライブ
20190919 1324 柿の葉ずしの仕掛け
20190920 1325 口角をあげてみたけど

20190924 1326 仏足石の足跡
20190925 1327 貿易
20190926 1328 ディープフェイク
20190927 1329 増税と物価と還元と

20190930 1330 赤白の大金星に震えた

 

EMIRPs Today(2019-09-24)#1326 仏足石の足跡

おはようございます、さいとうです。

近くの密寺に古い仏足石(ぶっそくせき)があると教えてもらいました。蝉がやんやと煩い頃でした。地図でみると歩いても二十分ほどのところです。

仏足石は、釈迦の足あとを彫り込んである石のことです。仏教がまだ新興だった紀元前四世紀ころには、仏像を造って信仰するのではなく、仏足石を対象としたそう。

調べてみると、世田谷区には三つの仏足石がありました。

ひとつは、等々力渓谷を多摩川に向かって下ったあたりにある善養密寺にあり、もうひとつもすぐ近くで九品仏駅前にある浄真寺の本堂脇にあり、そして残る一つは、千歳烏山駅から十分ほど北に向かったあたりにある多聞院にあります。

教えてもらった、善養密寺にあるものは一世紀ごろの造りで最も古いよう。早速、見に行ってみました。

等々力渓谷を下りていくと多摩川に沿うように流れる丸子川に架かる小さい橋。その先に密寺はありました。境内には不思議な石像が所狭しと置かれており、ガネーシャがあったり、河童がいたり、右くらま、左きふねと書かれた道標があったりと、密寺らしい怪しさがぷんぷん漂っていました。

このワンダーランド境内をぐるぐると三周ほどしたのですが、結局、仏足石を見つけることはできませんでした。朝早かったせいか、寺院内には人気もなく、場所を尋ねる機会もない。もう一度、日を改めて来てみることにしました。

小橋を渡ると現世に戻ってきたような気持ちになるから、不思議なものです。

気がつくと、手足を何カ所も蚊に刺されていました。
次は、もう少し秋が深まってからにしよう。

さ。

※雑感
仏足石は、奈良の薬師寺にあるものが日本最古だそうですが、今、住んでいる近くにいくつもあるとはまったく思いもしませんでした。

九品仏浄真寺にあるものは、江戸時代に建石されたもので、両足が整えられた足あと型になっていました。本堂のすぐ右手にありお参りする方もちらほら。賽銭も投じられていました。
烏山の多聞院にあるものは、年代は定かではありませんが、まったく足の形はありあせん。50センチ四方くらいの石が縦に二つに分かれていて、要するに片足あとが長方形。表面には、花模様や亀などの動物と思われる文様が刻まれていました。仏足だと教わらないとまったく見えませんが、ただただ美しい。

東京には他にもいくつもあるようです。東京タワー近くの港区増上寺の境内や選挙候補者に人気のある江戸川区の唐泉寺にもある。仏足石の足跡を巡る冒険は、しばらく続きそうです。

EMIRPs Today(2019-09-20)#1325 口角をあげてみたけど

おはようございます、さいとうです。

そのあたりは街灯が届かないせいか、時刻表の数字も良く見えません。スマホをかざしてバスの到着を確認すると、あと3,4分のようでした。

闇の中、地面近くで赤い光が上下しながら近づいてきました。隣にはぼんやりと人影が見えます。ああ、犬のお散歩をしているのかな、小型犬のよう。

「こ・ん・に・ち・は」、不意打ちをくらいました。幼子があいさつをしてくれました。薄暗い街灯にようやく照らされたのは、まだ、幼稚園に通う前のような小さい子供でした。

歩きながら、ゆっくりと首を回してぼくの顔を追いかけてきます。そうだ、「こんにちは」、あいさつを返しました、満面の笑みに変わりました。ところが、その笑顔が一瞬で曇ってしまいました。

ああ、薄暗い中で髭面の男が立っていたから、怖かったのかもしれない。子供に怖い記憶を植え付けるのは本望ではないぞ。まったく不慣れながら、精一杯に口角をあげて、世界で一番優しいおじさん風の笑みを作ってみました。

子供はぷんと顔を背けて母親を見上げました。あっ、しまった。ぼくの笑顔の下手さ加減といったら、まったく、初めて巻いた卵焼きみたいなものだから、変顔を通りこして不気味だったのか。なんだか、悪いことをしてしまった。

子供が立ち止まり、ふたたび頭を回してこっちを覗き上げてきました。おや、振り向いたその顔には先ほどの明るい笑みが戻っていました。「こ・ん・ば・ん・は」、少し高くて少し大きい声でした。

そっか、もう暗いのだから夜の挨拶が正しいと思って、言い直したのだね。遠い未来まで見通せそうな丸い目が二つ、じっとこちらを見つめていました。

「こん、ばん、は」、ゆっくりとあいさつを返しました。
今年一番の優しい声を出してみました。

さ。

※雑感
連休の月曜日は秋分の日、この週末はお彼岸になりますね。またまた、大型の台風が発生したとの天気予報。17号だそう。昨今の自然の脅威、ただただ穏やかに収まってくれることを願います。ぼくは、書斎で待つあれこれに、順番に手を付けようかなと思います。